「仕事無くなるぞ」
それはそれは非常に重みのある言葉でした。
この言葉は突然発せられたものではなく…青空球児・好児師匠の演芸人生を振り返っていた時、ご自身の経験を話されたことを踏まえて出た言葉でした。
私自身、ずっと芸の方向性を広げなければとかなり危機感を感じていた時期で、“早く新機軸を見つけなければ”と思いながら、意のままにならない障害が立ちはだかったりして、本当に行き詰っていました。
勿論、この世界は波があって、良い時もあれば悪い時もある訳ですが、そんな中でも下降線を描かず活躍を続けられる人も沢山いる訳で…そんな中、球児師匠の言葉は実に強く刺さりました。
普段から繕うことが苦手で、包み隠すことが出来ない球児師匠。
だからこそ…球児師匠から発せられる言葉には説得力があるし、そもそも先人が経験されている事を聞かせて貰う機会に恵まれている事はとても貴重です。
ご自身が経験されたからこそ分かること。
自分がその渦中にいると、ことごとく冷静かつ正確に事態を把握することは難しいのです。
球児師匠の言葉は決して脅かしの類いではなく、優しきアドバイスでした。
加えて私自身、思い当たる節もある訳で…疑念が確信に変わり、今後に対して向き合える。
若い人たちの中には、このような先人の知見に反発する人も多いんじゃないだろうか?
ここで何を伝えても、ご本人が腹落ちしていなければ何も刺さらないと思いますが…どうしたって自分の見立ては正確に見極められないことも多いし、甘めに見立ててしまうことも多いんじゃないかと思います。
だからこそ、先人の正直な言葉はしっかりキャッチアップした方が結果、自分の血となり肉となることを知ることが出来ていたら良いんじゃないかな、と思っております。
2023年10月26日