改めまして、昭和こいる師匠との17年に亘るお付き合いで、私は様々な気づきに触れることが出来ました。
若い頃はとにかく上下関係が面倒で、目上の…特に“師匠”と呼ばれる方々との接点は出来る限り避けるようにして来ました。
その理由は幾つかあって、単純に目上の方に頭を下げることが格好悪いと思って居たり、酒席を共にする際に付いて来る礼節を伴う様々な慣例が煩わしいと思っていたり。
それは若手ライブで活動していた頃…風の便りで「礼儀にメチャメチャうるさい」「何かやると直ぐに怒られたり小言が飛んで来る」などと言った噂を耳にしていたこともあるけど…実際はその噂のようなことはそこまで無かったし、言って来る人で言っても当時の漫才協会で言えばほんの2~3人くらい。
その厳しい師匠方に関して言えば、自分により下の者に対して自分の地位を知らしめるためだったりする方も居て、その方は既に漫才協会にはいらっしゃらないのですが…結果そういう態度をとられる方は周りから良い評判は出ないし、結果そのような評価は自分の身に返って来ることになるので…因果応報、そのような方と接することも、今思えば人生勉強になったなぁ、なんて思います。
私が漫才協会に入って間もなく20年、ここまで何人もの師匠方が亡くなられてますが…それぞれの方に、それぞれの想い出が遺っています。
会う度に調子を聞いてくれる方、家族や子供のことを気に掛けてくれる方、芸のアドバイスをしてくれる方、あと会う度何故かバナナを持たしてくれる方(すず風金魚師匠じゃありませんよ)…本当に色んな方々との御縁に恵まれました。
今思い返せば…もっと色んな話をしておけば良かったなぁ、もっとお酒の席とかご一緒させて頂いておけば良かったなぁ、袖でネタとか見ておけば良かったなぁ…ふとしたタイミングでそんな後悔が過ぎることがあるのです。
2023年09月20日