遺された者にとって、お通夜や告別式はとてつもなく負担が大きい。
亡くなった方をいち早くお見送りすべく、とにかく悲しみに浸る間もなく段取りを進めなければなりませんし、同時に役所や銀行、使用していた生活インフラの手続きもしなければなりません。
当然、亡くなられた側の心のダメージのある中で進めなければならない訳で…その心身に来るダメージは計り知れないものがありました。
実際父が亡くなった時も、葬儀の後にお仕事を頂いてまして…葬儀が終わり、帰宅するや否や普段着に着替え、衣装を用意して現場に向かった記憶があります。
非常に冷たいように思われるかもしれませんが…亡くなった方への弔いはとても大切ですが、その一方で遺された者にはその後も生きていかなければならない宿命があるのです。
つい先程まで父の死を受け留め切れず号泣していた私が、夜には息子程の年齢の地下アイドルたちとステージ上で戯れ、お客さんに笑って貰おうと躍起になっているのだから…つくづく私は残酷な人間だな、と思います。。。
それでもお通夜や告別式は出来る限りで良いので執り行った方が良いと思っています。
それは…見送る側から見てそう思ったんですが、それだけではなく、親類縁者の立場から見ても絶対に必要だと思うのです。
亡くなられた方との歴史は、その方亡くなられた時に一旦ストップしてしまいます。
勿論その後も亡くなられた方を偲ぶ機会はあって、私自身ここまで亡くなられた師匠方の思い出話に花が咲く度“そんなこともあったんですねぇ”といった感じで懐かしむ気持ちと共に新たな思い出が上書きされていくのはとても素敵なことだな、と思います。
私が考えるお通夜や告別式の大切さって、“今まで本当に有難うございました”という気持ちをもって、亡くなられた方に対する感謝の気持ちを伝える儀式なんじゃないかと思っています。
勿論“感謝”の気持ちではまとめきれない、様々な関係性があるとは思います。
そこも含めて…遺された者が亡くなられた方に対するけじめをつける儀式、お通夜や告別式はとても大切な場なんだと思っています。。。
2023年09月17日