「今回は本当にご出演頂きまして、本当に有難うございました。」
「こちらあまりにも少額で申し訳ないんですが…出演料になります」
恐縮の極みと言った感じで出演料をお渡ししましたら、おぼん師匠から一言。
「いらん、俺ら後輩の会ではギャラ貰わんことにしてんねん」
続けてこぼん師匠も
「演芸会でギャラ出すの大変やろう」
二人とも実に柔和な表情をされていたことを今でも鮮明に記憶しています。
但し、いくら少額とはいえ…さすがにノーギャラで、とは行きません。
引き下がる訳には行かないこちらも必死に抵抗します。
「ノーギャラはあきませんて!少額ですがせめてお帰りの交通費ということで…」
「気ぃ遣わんでエーから」
「このあと手伝って貰ってる後輩と打ち上げ行くんやろ?」
「はい」
「じゃあその足しにしてよ」
結局会場の時間もあり、またまたおぼん・こぼん師匠の懐の大きさに甘えさせて頂くこととなりました。
そしておぼん・こぼん師匠はお二方とも打ち上げには参加せず、お二人ともお帰りになられました。
恐らくそれは、ご自身が打ち上げに参加することで手伝いに来ていた後輩たちに気を遣わせないように、という配慮だったんじゃないかと思っています。
ちなみに余談ですが…おぼん・こぼん師匠のお心遣いで後輩たちと打ち上げをしていたら…仲良くしてた先輩芸人のガッポリ建設が打ち上げに登場。
ガッポリ建設は「おぼん・こぼん師匠、ご馳走になりまーす!」と高らかに叫び、(独演会を観ていないのに)「独演会成功おめでとう!」「いやぁ、本当に良かったよぉ!」なんて適当なことを言いまくり、帰って行きました。
先輩も色々です(愛を籠めてね)。
さて、独演会が終わり…私はその意義について色々と考えました。
そしてこの独演会を期に、私の諸先輩方に対する気持ちが少しずつ変化して行ったのです。。。
2023年07月24日