若手ライブでの活動しか知らなかった私にとって、“浅草”での“演芸”の世界はまさに“未知の世界”。
何となくのイメージだけあって、それは…“礼儀に厳しい”“知らない師匠がいっぱい居る”“お客さんがお年寄り”などなど、何処となくネガティブなものばかり。
その時までの私の活動形態の中では全く接点がなかった場所。
最近ではナイツの尽力により、少しずつその名が世間に知られるようになって来ていますが(…といっても世間的には知らない人の方が多い)、当時は全く予備知識のない状態でした。
正直、期待より不安の方が大きかった訳ですが…まぁ、そんな甘っちょろいこと言ってる場合でもありません。
まずは浅草東洋館に出向き、その日出番がある師匠方にご挨拶をさせて頂きました。
当時、田島さんという愛想のないお爺ちゃんが受付をやっていて、新参者である私はまずその人にご挨拶。
返って来た言葉がまぁ、横柄というか、乱暴というか、私、呆気にとられたことを今でもハッキリと覚えています。
ちなみにその田島さん。
打ち解けて来ると…実に愛嬌のあるお爺ちゃんであることを知る訳ですが、とはいえお客さん的には殆どの方が“はじめまして”ですからね、その愛想のなさは看過できるものではありません。
…と思っていたら、その後、聞いた話によると…開場時間になっても酔っ払ってロビーのソファーみたいなところで爆睡していたのがバレて、クビになったらしい。
如何にもいにしえの演芸エピソード、といった感じです。。。
現在の浅草東洋館は若くてしっかりされた方ばかりです、失礼な接客もないのでご安心下さい。
そしてそのロビーを抜け、楽屋へ向かいます。
ここから本格的なミステリーゾーンの幕開けです。
2023年0707日