『昨日より今日はもっと×2!素敵』 BLOG(イケてる大人計画)

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【アニオタはかくしてLIVE演出家になった】57小節目♪「人類はあと何回滅亡の予定があるのか!?集団ヒステリーと大衆扇動メカニズムと密かに始まっていた情報戦争の話」

れらpです。
前回のエントリーで、少し近未来SFチックなメディア論を展開したわけですが、今回はその続編というか後編です。

ものすごく端折って前回の内容をおさらいすると、

▽かつて第4の権力と自他ともに認めていたマスコミは、ネット社会の到来でその地位を失ってしまった
▽ネット上での無数の個々人の意思表示が集まったものが、今や「第5の権力」として物理的攻撃力を伴った世論を形成している
▽匿名性に守られたネット上の集合無意識は善悪の判断をその時の気分で下す傾向があるがこれはまさしく魔女狩りだ
▽国家権力はやがてネットの匿名性を許さなくなる。個人管理こそが統治の基本だからだ
▽個人管理が完成した暁にはやがて国民の格付けや世論の扇動システムが構築されるかもしれない

★詳しくお読みなりたい方はこちらをどうぞ★

www.waja-next.com


■真面目にやる気があるのか未来人!?人類の滅亡がしょっちゅう回避される件(笑)

さてさて、最近目に見えて「人類滅亡予言」が増えてきました。
だいたいこの手のオカルト思想は、約10年おきくらいにピークを迎えると言われています。

一番有名なのは、なんといっても「ノストラダムスの大予言」でしたよね。1999年に我々人類は滅亡する予定でした。

ノストラダムスの大予言 迫りくる1999年7の月人類滅亡の日 (ノン・ブック)

ノストラダムスの大予言 迫りくる1999年7の月人類滅亡の日 (ノン・ブック)

 

 で、それが一旦キャンセルになって(笑)、次は2012年、ノストラダムスから約10年経って、そろそろ我々は本気で滅亡する予定でした。
これは南米にかつて存在していた「マヤ文明」という、ちょっとマニアックな文明に伝えられてきた予言書的な暦が、2012年までしか刻まれていなかった、というなんとも消去法的な話から来たもので、ハリウッドも悪ノリして「2012」という超大作映画を作ったりしました。 

2012 [Blu-ray]

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 で、これもやっぱりキャンセルになりまして。
それからさらに10年。次の人類滅亡予定は2020年くらいですかね?なんとあと2年しかありません笑

あと、最近のトレンドは「未来人」ですかね。
大半がアメリカの2ちゃんねる的な掲示板か、YouTubeに降臨してくれます。
未来人なんだけど、やたら親しみやすいところに現れて、我々現代人にアレコレ警告してくれるわけですが、だいたいが「自分がこうやって過去に関わったことで未来が改変され、無事に滅亡が回避された」的なめでたしめでたしなオチが付いたりする。

そういえば、未来人はアメリカ人だけじゃなくて、日本人率も割と高くて、大抵2ちゃん(←いま「5ちゃんねる」ですけどね)を使って世の中に警告してくれます。
もうちょっと真面目に警告するなら、その「自由に過去に移動できる」力を使って、たとえば現代の政治家になってもらって国家の中枢からどうにかしてもらうとか、なんなら未来の日本国政府が国家プロジェクトとして現代の政府にキチンとした政治手法で警告を発してくれればいいのになとも思うのですが、こんな大事な情報、なぜか未来から派遣されてくる人間はみな「名もない一般人」だったり「軍人なんだけどせいぜい中尉(クラスの下級将校)」くらいだったりするという、なんとも未来人も本気でやる気があるんだかないんだか分からない感じで我々ご先祖様にちょっかいを出してくるわけです笑


■心霊ブームの有無で世間の景気動向がわかる

で、僕はこんな与太話で読者の皆さんをおちょくろうと思っているわけでは決してなくて、こんな世の中の傾向から少し、現代の世相というか世情というか、そういう「集合無意識」を探ってみたいと思うのであります。

そもそも今あらためて世の中を見まわしてみると、こういった「終末思想」というかオカルト的話題の中に、実は最近、とあるジャンルが決定的に欠けている、ということに気付きます。お判りでしょうか!?

そう…「心霊ネタ」です。
幽霊とか、お化けとか、いわゆるスピリチュアル的なジャンルです。

実はこのジャンルも流行り廃りがあって、結論から言うと「心霊ネタが流行るのは世の中の景気がいい時」に限る、という傾向があるのです。
まぁ人間、物理的な欲望が満たされてくると、次第に精神的な充足感を求めるようになりますからね。

日本で一番「心霊ネタ」が流行ったのは、1980年代から90年代前半にかけてです。
当時日本経済は絶頂期を迎え、世の中が好景気に沸いていた時代だ。
70年代の終わりに「エクソシスト」という不朽の名作米映画が発表されて大ヒットしましたが、これで一気に世間の目がソッチのほうに向いたという伏線もあり。

この頃、僕は小学生でしたが、当時の僕が怖いものみたさで一番楽しみにしていたのが、日本テレビで放送していた心霊番組『あなたの知らない世界』。
日テレのワイドショー枠の毎週水曜日の人気コーナーで、夏休みになると毎年「怪奇特集」が組まれ、僕はテレビにかじりついたものです。
心霊研究家の新倉イワオさん(故人)とか、かの有名な霊能者・冝保愛子さん(故人)なんかを知ったのもこの番組でしたね。

蛇足ですが、矢追純一さんがUFOで脚光を浴びてたのも80年代ですね。
雑誌で言うと、参考書で有名な出版社・学研が発行していたオカルト雑誌「ムー」なんかも大流行していた。

gakkenmu.jp

とにかくこの時代は心霊、UFOなど、オカルト全般が一世を風靡していた。
テレビもこの頃が一番面白かった気がします。

ところが、90年を過ぎてバブルがはじけ、オウム真理教が地下鉄サリン事件を起こしたり(95年)、阪神淡路大震災が起きたり(同年)して、世の中それどころじゃなくなってくると、こうしたオカルトブームも終焉を迎えます。
ちょうどそのころ、心霊番組でヤラセが発覚したりして、それにとどめを刺したりした。

ブーム終焉の直前、90年代末期に『リング』などの映画に代表される"ジャパニーズホラー"が世界的にスマッシュヒットしたりしますが、それも長くは続きませんでした。

以来十数年、日本では心霊ブームは起きていません。
これは2000年代以降の、日本経済停滞と時を同じくするものです。失業や破産、自殺など、スピリチュアルなものより現世の方がよほど地獄的な様相を呈してきた、という空気もあるかもしれません。

おそらく今後も、二度と「心霊ブーム」は起こらないでしょう。
前回のエントリーでも書きましたが、レガシーメディアがその権威を失い、誰も「踊らなくなった」からです。
2011年の東日本大震災も影響したかもしれませんね。
多くの人が亡くなった中で、面白半分に心霊を扱うべきじゃない、という「ポリティカル・コレクトネス」。

仮にそういった空気を読まずにどこかのテレビ局が心霊番組をやりだしたら、今の時代、途端にネット界隈から「不謹慎だ」と大バッシング・大炎上が起きることは間違いないでしょう。


■アフリカの子供たちの飢餓には関心がないのにアイドルの熱愛流出には過敏に反応する社会

さて、前回のエントリーで紐解いた"第5の権力"、ネットの集合無意識に話を寄せていきましょう。

今や世間の関心は「心霊」でも「オカルト」でもなく、現実世界における「自分以外の他人」だ。
先日まで世間を賑わせていた「日大悪質タックル問題」に限らず、今や世間は、どこかの企業や政治家、タレントの不祥事なんかにものすごく過敏に反応する。
それは「個人装備のお手軽ウエポン」(※前回記事参照)であるツイッターの普及とともに、一昔前とは比べ物にならないくらいの憎悪と敵意をもって、ターゲットに向けられるようになりました。

考えてみれば、本来人間というものは、自分の生活空間の中で認知できる事柄のみに関心を向ける生きものであって、もともと自分とは何の縁もないタレントや、どこか別の街の悪ガキ君がなんかやらかしたところで、本能的にはそう深い興味を示さないものなんじゃないかと思うのです。

だって、どんなに「アフリカの子供たちは飢えている」とか「圧政に苦しむ可哀相な難民」とかのニュースが流れても、世の中の大半の人は一瞥すらしないでしょう?

それなのに「どっかの地下アイドルが男とキスしてる写真が流出した」とか「どこかのアホ君がお店のアイスケースに入ってみた」なんて話は、まるでこの世の終わりのように炎上する。
いや、あなたそのアイドルの知り合いですか?そのお店普段使うところなんですか?と言えば、99%の人は何も関係がない。
でも炎上する。

これって、どういうメカニズムなんでしょうか。


■弁護士大量懲戒請求事件に見る集団ヒステリー

ここに、その疑問を解くひとつの事例があります。

つい最近、東京弁護士会に所属する2人の弁護士に1,300通を超える大量の「懲戒請求」が届き、ターゲットとなった弁護士の方がそれらを送り付けた千人近い人々に対し業務妨害だとして訴訟を起こすことにした、という事件が起こりました。

事件の詳細は省きますが、どうやらこれ、ある特定のブログに扇動され、懲戒請求の何たるかもよく分からないまま多数の人がブログ主の指示通りに実行した、ということのようなのです。

このブログはいわゆる「ネトウヨ」のカリスマ的なブログらしく、日々"反日的な"言動をしている人物や団体を糾弾していた。
今回の懲戒請求も「弁護士会が反日的な声明を出した」ということで、憂国の士はみんなで力を合わせて彼らに正義の鉄槌を下すべし、とアジテーションを飛ばしていたというお話。

まあ日本は「言論の自由」が保証されているので、そうした発言自体は罪に問われるものではないのですが、それは弁護士会にしたって同じで、かの声明そのものは、ひとつのオピニオンとして社会全体が容認しなければいけないものなわけです。

で、今回の集団扇動事件は、これに対し「懲戒請求」という実力行使をみんなでやろう、と呼びかけたことが発端で、その熱意溢れる弁論に呼応した多くの「愛国者」が追随した、というのが事の真相のようです。
ただ、一番カッコ悪いのは、彼ら多数の愛国者の大半が、実際に「弁護士への懲戒請求」という制度を利用すると、請求者自身の名前やら住所やら、要するに自らの個人情報が相手方に筒抜けになってしまうこととか、下手したら今回のように反撃(訴訟提起)されて、慰謝料請求までされかねないリスクまである、ということをロクに調べていなかった、という部分なのです。
で、もっと間抜けなのが、今回懲戒請求のターゲットとなったこの2人の弁護士の方が、実際はこの声明には何の関わりもない方だった、というオチだったりします。

結局この弁護士の方たちは、特定の日までに示談に応じれば提訴を取り下げる、という解決策まで提示されたようなのですが、その示談金はどうやら1人1件あたり「5万円」(弁護士2人分だと10万円)だそうで、愛国者の皆さんにしてみれば、このカリスマブログに扇動されて間違ったターゲットに不用意に懲戒請求を送った結果、最低でも5万円の示談金を払うか、さもなければ本当に裁判を起こされる、という状況に陥っているわけです。

で、当然ながらこの扇動したブログ主は、個々の愛国者の示談金を肩代わりするわけでもなく、弁護士さんサイドの提訴を「受けて立つ」という姿勢を見せているそうで。

今、この千人近い愛国者たちの何割かは「ブログ主に梯子を外された」とパニックに陥っているんだとか。
かの弁護士さん曰く、訴訟準備をするにあたって多くの請求者と直接遣り取りする機会があったようなのですが、皆さん普通の会社員や主婦が多いそうです。実社会では極めて穏健な生活を送っている方たち。

今から考えると、なぜそんな人たちが、自分がそうした過激な行動を取る(実力行使する)にあたって、自ら「懲戒請求制度」や「相手方の素性」を冷静に調べなかったのでしょう?
あるいはこのカリスマブログの中の人の素性をキチンと調べなかったのでしょう?
だって、ブログ主は結局どこの誰かも分からない、「匿名」の存在なのです。
普通ならこんなリスキーな行動を取る場合、慎重にその影響を下調べするものだと思うのですが。

それとも、そういう冷静さすら失うほどこのブログ主の扇動に熱狂し、まさに集団ヒステリーのような陶酔状態に陥っていたのでしょうか?


■結局多くの人間はカリスマ的な扇動者に弱い生きものなのだ

ということで、僕もちょっとこのブログを読んでみました(※このカリスマブログを晒すのが今回のエントリーの目的ではないので、ここでは敢えてブログ名を伏せます)。
いったい何がそんなに人を惹きつけるのか!?

…かなり控えめに言っても、相当過激な愛国ブログでした。
言論の軸は反韓国・北朝鮮。いわゆるヘイトです。

このブログに書かれていることがすべて「真実」であれば、これを読んだ多くの日本人が義憤にかられ、自分たちの平和な暮らしを守るために立ち上がらねば、と思っても無理はないかもしれません。

ひとつ分かったのは、このブログの主張は極めてシンプルで分かりやすいということ。
韓国・朝鮮人をすべからく「敵」と認定し、あらゆる機会を捉えて彼らを「排除せよ」と主張している。
そしてそれが成し遂げられなければ、私たちの大切なふるさと「日本」が破壊される。

こうした「シンプル・イシュー」は、多くの人の思考を単純化するし、"自分たちの暮らしや家族を守る"という大義名分は、自分たちの行為を「正義」だと正当化するに十分な理屈だ。

だから、今回弁護士に懲戒請求を行った多くの"普通の人々"は、このブログに素朴な愛国心を刺激され、行動に移したのだろう、ということが容易に推察できました。

でもこれってまさに、前回のエントリーで指摘した、中国の反日キャンペーンと同じ構図ですよね。
国外に共通の分かりやすい敵を作ることで、大衆の不満を和らげ、一致団結させる。

反日行為が激しい中国や韓国の世論には「愛国無罪」というムードが常にあります。
自国の国益や尊厳を守るためなら、たとえそれが法に触れる行為だとしても「正義」とされる大衆心理。

これもまた「集団ヒステリー」の一種です。

ここから得られる教訓とは。
結局人は、こうしたカリスマ扇動に実に簡単に乗りやすく、さらにそうなると「陶酔状態」に陥りやすい、ということ。


■世の中を扇動するメカニズムとは

で、話を一番最初に戻すと、現在多くの「終末論」や「未来人」が流行っているのも、結局それを「煽り立てる誰か」がそこに存在しているからではないか?という仮定が導き出されます。
それに加え、これら終末論も未来人の予言も「それで結局日本はどうなるの?」という要素があるからこそ「ホット・イシュー」になっている。

その点、アフリカの子供たちがどんなに飢えていても、そのこと自体は「単なる事実」でしかなく、そのせいで「自分たちの暮らしが脅かされる」という危機感はそこに存在しないから、僕らの中でホット・イシューにはなりにくい。

そのことを理解したうえで、じゃあなぜ「アイドルが男とキスした」だけで大炎上するかと言えば、それがある界隈では非常に大きな意味を持つホット・イシューになってしまうからです。

多くのドルオタは普段、アイドルとは一定の距離感をもった関係性を維持している。それが暗黙のルールだからです。
それが破られた、ということになると、たとえそれが自分の「推し」アイドルではない子、普段はまったく知らないアイドルだったとしても、多くのドルオタは自分の生活空間の中で築いてきたアイドルとの関係性に置き換えて見てしまう。要するに「他人事じゃない」わけです。
だから我が事のようにその事例を捉えてしまい、「何か一言」言いたくなってしまう。

ということはつまり、大衆を扇動し、何か大きなムード(それがポジティブなものであれネガティブなものであれ)を作ろうと思ったら、そのコミュニティにとっての「カリスマ」(=たとえばアイドル本人でもよい)が、何か「ホット・イシュー」(=男とのキス写真とか笑)を投げ込めばいい、というメカニズムがあることに気付きます。さらにそれは、善悪の判断が付けやすいシンプルなもの、二元論的なものであればあるほどよい。

あとはどのジャンルのコミュニティがそれぞれどこに存在しているか、を正確に把握し、目的に応じてそれらコミュニティに一番フィットする話題を投下すれば完成だ。


■既にマーケティングで活用されているツール別宣伝手法

今や世の中を動かし「第5の権力」にまでその地位を築き上げてきたネットという世界。
なかでもその"集合無意識"が息づくのは、SNSというツールが作り上げた「仮想空間」です。

今やタレントさんなんかは、これらSNSのフォロワー数が最低でも万単位じゃないと仕事が貰いにくい時代になったんだとか。
逆に、100万人単位のフォロワーがいると、それだけでタレント価値が生まれ、いろいろと話が進みやすいそうです。
こういう人たちが例えばテレビに出ると、本人がその情報を告知するだけで、100万単位の人の目に触れることになるわけですから、下手な番宣を打つよりよほど告知に繋がる、という理屈です。

僕なんかいつまでたってもツイッターのフォロワー1,000人達成できませんけどね笑

で、先ほどから指摘している、コミュニティにおける「カリスマ」というのがイコールこの"多数のフォロワー"を有している人、のことであって、流行りの言葉で言うと、彼ら(彼女ら)は今「インフルエンサー(=影響力のある人)」と呼ばれています。

次に考慮すべきは、その話題を投下する「適切なフィールド」です。

ここに、各種SNSの最新のユーザー別利用者数のデータがあります。
これによると、日本国内で一番利用者数が多いSNSは「LINE」で、月間アクティブユーザー数は7,300万人以上。
次いで「Twitter」が4,500万人。
以下「FaceBook」が2,800万人、「Instagram」が2,000万人と続きます。

ちなみに、世界的な利用者数ランキングでみると、
1位 FaceBook 20億人
2位 Instagram 8億人
3位 Twitter 3億2,800万人
4位 LINE 2億1,700万人

この中でLINEは、SNSというより個人間の「連絡手段」として利用している人が大半だと思われますので、日本国内では事実上TwitterがSNSの主役といってもいいでしょう。
世界的な傾向でいうと、飛び抜けて利用者数の多いFaceBookは、日本ではどちらかというとマイナーな部類に入ることが分かります。

続いて各SNSユーザー(国内)の特徴を見てみると…

【Twitter】
20代・40代の利用が突出して多く、10代はこれら世代の半数程度の利用。男女比は半々。

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(出典:https://gaiax-socialmedialab.jp/service/ ※以下同じ)

【FaceBook】
40代をピークに30代・50代が続く。年齢層は比較的高い。やや男性利用者の方が多い。

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【Instagram】
20代をピークとして30・40代が圧倒的に多く、女性比率はどのSNSよりも高い。

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日本人がTwitterを好むのは、このツールが短文投稿で成立する、極めて手軽なものだからだと思われます。
属性の偏りがあまりありませんので、「普遍的な一般論」を「シンプル・イシュー」でバズらせるにはTwitterが最も有効だと言えるでしょう。

逆にFaceBookが世界のトレンドに比して日本人に人気がないのは、このツールが「実名制」を取り入れているから、ということと、もうひとつは「日本語化」が遅れた、という理由があります。日本人は実社会でもネット社会でも、個人として目立つことをあまり好まない国民性だし、FaceBookはもともと英語圏に特化したコミュニケーションツールだ。
日本語化も、FaceBook社が自らやったのではなくて、ネット上の「おせっかい」なユーザーがボランティアでやってくれたという話ですし。
さらに加えて、FaceBookのコンテンツは基本的に「文章」で構成されているものだからではないかと思ってみたり。
で、ユーザーの属性データを見る限り、そうした文章によるロジカルな世界を好むのは「比較的年齢層の高い」「男性」、ということが読み取れます。

いっぽうInstagramのストライクゾーンは20・30代の女性。
女性向けの訴求はInstagramが最も効果的のようです。
少し前から「インスタ映え」という言葉が流行っているようですが、ユーザーの女性たちはここに多くの動画や写真を投稿している。
TwitterやFaceBookが比較的テキスト情報に寄せているのとは対照的に、インスタはもともと写真共有サイト。「ビジュアル」がメインです。
その特性上、「主義主張」をプロパガンダするのにはあまり向いていないかもしれません。
あるいは、情緒に訴える写真や動画を活用するやり方なら、逆に最も向いているツールと言えるかもしれない。
だからビジュアル情報が重要な「ファッション」とか「フード」などのコンテンツが上位を占めるわけです。

そういう視点でこれらSNSツール上での情報の流れを観察すると、非常に面白いですね。
多くの企業広告が、これらSNSのそれぞれの特性を十分に掴んだ広告展開を図っているのが読み取れます。


■SNSの世界で既に始まっていた情報戦争

ところで前回のエントリーで「国家はネット上の匿名性を許さない…やがて個人の特定が完成する」と書きました。

この予測を補完する、恐るべき事実をお伝えしておきましょう。
実名制が原則の「FaceBook」、実はアメリカ国家安全保障局(NSA)という米国のバリバリの諜報機関(その実力はCIAを凌ぐと言われている)に、ユーザーの個人情報をすべて提供していたことがワシントンポストにすっぱ抜かれています(2013年)。さらに、アンドロイド端末の電話番号を、ユーザーに無断で収集していたことも暴露されています。これに対しFaceBook社は「プログラムのバグだった」と釈明し、ただちに修正することを約束しましたが、その後現時点でそれがキチンと是正されたのかどうか、第三者による検証は一切行われていません。
さらに今年に入って「9,000万人近いユーザー情報が流出したかもしれない」というニュースが世界中を駆け巡り、創業者のザッカーバーグCEOが米議会で追及される事態が起きています。

★サイバー戦争といえばコレ「攻殻機動隊」★

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http://kokaku-a.jp/index.html


そのFaceBook社ですが、Instagramも買収して子会社化しています。
当然ながらIDは共通化されており、またサードパーティのアプリとの連携も非常に多く行われています。

もうここまで来たら、FaceBookおよびInstagramユーザーの個人情報はすべて丸裸になって、今頃とっくにどこかに流出している、と諦めた方がいいのではないか?と思います。
その他FaceBookは、スマホなどのデバイスに登録している電話番号などを勝手に読み取って友達申請を自動でしてしまうなど、何かと問題の多いツール、という印象があります。
僕がFaceBookやインスタに手を出さない理由のひとつです。

じゃあTwitterは問題ないのか?と言えばそうでもなくて、最近「本人認証のために電話番号を登録しろ」というメッセージが頻繁に現れます。
こうした個人情報は守られます、なんて但し書きもついてきますが、それを額面通りに受け止める人ってやっぱり多数なんでしょうか。

こういうのに登録したが最後、あらゆる個人識別情報は僕の情報発信と紐づけられる可能性が極めて高い、と認識する方が自然だ。

個人情報をめぐる仁義なき情報戦・諜報戦は、既に初期段階を過ぎて、次の戦局に差し掛かっているのかもしれません。


■SNSから解放されたいという動きが始まっている

今や私たちの生活に、これらSNSは欠かせないツールとなっています。
電車に乗っていても、人待ちスポットでも、多くの人々がスマホ片手にずっと画面を見つめている風景が当たり前になっています。

でも、最近はそうしたSNSを辞める人が増えているそうです。
考えてみたら、TwitterにしてもFaceBookにしても、日本でサービスが開始されたのはわずか10年前です。
ということは、10年前以前は、こうしたSNSを利用している人はほとんどいなかったわけで、じゃあその当時僕らの生活が何か不便だったかというと全然そんなことはない。
むしろ今は、学校でLINEを使った新たないじめが発生したり(グループからハブられるとか、既読無視とか)、Twitterで粘着されたり炎上したり、といった新たなトラブルが頻発している。こうしたSNSのせいで、10年前には存在しなかった新しいストレスが現代人を苦しめているわけです。
あるいは前項でも指摘した「意図しない個人情報の抜き取り」というリスクが生まれてしまった。

だったら、そうしたストレッサーを元から絶とう、ということで、SNSを辞めてしまう、という人が増えているのも納得のような気がします。
こうした動きは、個人ユーザーだけでなく、企業にも見られるようになってきました。
つい最近も、大手文具チェーンの「伊東屋」さんというところが「残念ながら、facebookの集めた個人データの活用方法に伊東屋として賛同できないために、終了を決断しました」と宣言したうえで、公式FaceBookページを閉鎖しました。

僕も最近、Twitterをあまり使わなくなりました。
まあこのブログを投稿する時は、一応情報発信ということで活用させてもらっていますが、それ以外の、特に意味のない日常のつぶやきは極力投稿しないようにしています。
むしろそういうツールがあるせいで、黒い感情を無差別に撒き散らしてしまう可能性があるわけで、穏やかな生活を送っている多くのフォロワーさんにそういった不快な投稿をお見せするのは申し訳ない、という気持ちと、自分自身が第三者からの悪意のある攻撃から逃れたい、という気持ちが半々です。

で、そうやってSNSから適度に離れると、毎日が実に快適で、実生活以外から不意打ちのように不快な攻撃を受けることがほぼなくなりました。
と同時に、先ほど考察したような「個人情報戦争」みたいなものに巻き込まれなくて済む、という実感もあります。

まあクリエイティブ活動をやっている限り、個人の情報発信ツールとしてのSNSの利用価値は非常に高いわけですが、その辺のバランスを今後どうやって取っていくのか、少しゆっくり考えてみたいとは思っています。

長々とメディア論を書いてきて、結局最後の結論は「戦線離脱」かよ!?とツッコまれそうですが、これは別の言い方をすれば「名誉ある撤退」とでも称するべきなのか笑
SNSから距離を置く、ということは、「第5の権力」という集合体からも身を引く、ということを意味するわけですが、それでもなお「誰かの掌の上で踊らされ」ないよう、もう少し僕がこうしたサイバー空間で生き抜くスキルやマナー・品位を身に付けるまで、少しゆっくり立ち止まって考えてみたいな、と思う今日この頃なのでした。