みなさんこんにちは!
帝国劇場でファーストキスがしたい!
素敵な舞台女優を目指して修行中の音大生、吉村南美です。
私はみなさんに舞台の魅力をもっともっと知ってらうために『舞台』をテーマに記事を書いています。
皆さんにとって演劇が、ミュージカルが、そして舞台が身近な存在になって、もっといろんな方が舞台を観に行くきっかけになれたらいいな〜と思っています。
前回の記事はこちらからどうぞ♪
久しぶりのブログ更新でございます。
今回は舞台ではないのですが、
あの大ヒット上映中のミュージカル映画について書きたいと思います!
その映画は・・・
『グレイテスト・ショーマン』
なかなか見に行けなかったのですが、ついに念願叶って先日見てきました!
■ヒュー・ジャックマンが演じる「地上最も偉大なショーマン」と呼ばれた人物の物語
映画『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンを演じた、
演技も歌もダンスも出来てかっこよさと色気を兼ね備えていて、その上ものすごい良い人という完璧超人・ヒュー・ジャックマンが主演です。
ヒュー・ジャックマンが演じるのは、ショービジネスの原点を作り出し「地上もっとも偉大なショーマン」と呼ばれた19世紀アメリカに実在したP・T・バーナムという人物。
それでは、あらすじをどうぞ!
「レ・ミゼラブル」でも華麗な歌声を披露したヒュー・ジャックマンの主演で、「地上でもっとも偉大なショーマン」と呼ばれた19世紀アメリカの
実在の興行師P・T・バーナムの半生を描いたミュージカル。
劇中で歌われるミュージカルナンバーを、「ラ・ラ・ランド」も手がけたベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが担当した。
貧しい家に生まれ育ち、幼なじみの名家の令嬢チャリティと結婚したフィニアス。
妻子を幸せにするため努力と挑戦を重ねるフィニアスはやがて、さまざまな個性をもちながらも日陰に生きてきた人々を集めた誰も見たことがないショーを作り上げ、大きな成功をつかむ。
しかし、そんな彼の進む先には大きな波乱が待ち受けていた。
まだ映画を見ていない!という方は、まずはこちらの予告をご覧ください。
予告と同じように、映画本編も「The greatest show」という曲で始まるのですが、コーラスの後に静かに入ってくるヒュージャックマンの低音がかっこいいのなんのです。まずここで心を鷲掴みされますよ。
■シンプルでハッピーなストーリーと、大迫力で心躍るパフォーマンス
最初に、私の映画を見たざっくりとした感想としては
映画のタイトル通り、最初から最後まで最高のショーを見せてもらった!
と感じました!
細かく気になるところはあったけれども、
ヒュージャックマンを始めとした、実力を兼ねそなえた豪華キャストさんたちによる圧巻のパフォーマンスが、
2時間の映画の中にこれでもかー!というくらいに詰め込まれていて大満足でした!
特にサーカスでフリークスの人たちが歌い踊るシーンの力強くて、輝いていること!
日陰で生きてきた彼らがそれぞれの個性を生かしてショーをし、生き生きしている姿はとても楽しそうで、うらやましくなるくらいでした。
2月に公開されたグレイテストショーマンですが未だその勢いはとどまることをしらないようで、私の見に行った回も席はほぼ満席でした。
なんとなんと、歴代ミュージカル映画の興行収入ランキングでも『ラ・ラ・ランド』を抜き、第3位になったようです。
こちらの記事によると『グレイテスト・ショーマン』は観客の層が幅広いということに加え、リピーターが多いと書かれていて、なるほどなあ~と思いました。
私が映画を見て感じたのは、
ストーリーはとてもシンプルで、パフォーマンスが多くとてもダイナミック
ということでした。
そして、それが色んな世代の人が見に来てかつリピーターが多い理由になっているのだと思います。
作詞・作曲を手掛けたチームが同じということでララランドとよく比較されるグレイテスト・ショーマンですが、
ララランドはグレイテスト・ショーマンとは逆で、ストーリーはミアとセブの恋愛のドラマが中心でしっとりとしていて、ダイナミックなナンバーもオープニングのAnother day of the sunくらいなんですよね。
どっちが好きかというは完全に好みの話だと思うのですが、
グレイテスト・ショーマンの方が分かりやすくて終わりもハッピーなので、スッキリ見ることができると思います。
ララランドが公開していたとき、映画を見た人の感想で多かったのが「思ったよりミュージカルしていなかった」というもの。
ミュージカルに対するイメージって「歌って踊ってみんなハッピー!」みたいなのが強いと思うんですね。
ララランドは切なめのエンディングですし、大人数で思いっきり踊ったりする曲もさっきお話ししたように少なめ。
グレイテスト・ショーマンは派手なパレードシーンのオープニング曲「The greatest show」から始まり「Come Alive」「This is me」と大人数の派手なナンバーが続きます。
つまり、グレイテスト・ショーマンの方が一般的に「ミュージカル」というものに抱かれるイメージに合っていて、普段ミュージカルを見ない層の方にも受け入れられやすい。「ミュージカルを見て、楽しかった!」という気分になりやすいのではないかと覆います。
またストーリーの流れとして、
バーナムさんピンチになる⇒バーナムさんのアイデアや仲間の力で何とかなる
っていう風になっているので、映画の中で大変なことが起こっても「これもきっと何とかなるな」と安心してみていられるんですよね。
ディズニームービーに似たものを感じました。
その分ストーリーはあっさりしているというか、うすめではあります。
この映画を観て深いことはあまり考えないと思うので、私的にはそこがちょっと物足りないポイントではありました。
フリークスというデリケートな題材を扱っているけど、そこも若干軽めというか、曲の明るさでいろいろすっ飛ばしてる感は強いです。
でも今書いたようにこのあっさり感が幅広く沢山の人にヒットしている理由の1つでもあると思うので、好みですよね~
そしてテーマもわかりやすくて、
自分は自分自身でいるというだけで素晴らしくて、それぞれ個性があってオンリーワンな存在なんだ
というものが一番大きいと感じました。
物語の時代やそれを歌うバーナムやサーカスのフリークスの人々は映画を見ている私達とは全く違う世界の人だけれど、
抱えている思いは同じで発しているメッセージも普遍的なもので、だからこそ多くの人がこの映画を受け入れているのだと思います。
あとリピートしたくなる理由としては、やっぱり映画館でしか味わえない音楽シーンの迫力ですよね。
あのド迫力のショーシーンと音楽は映画館の環境で見たほうが絶対良くて、一回みるともう一回映画館で見て痺れたいー!ってなります。
■映画を彩る9ナンバーがとにかく全部最高
このグレイテスト・ショーマンの作詞・作曲を担当したのは、ララランドの音楽も手掛けたベンジ・パセック&ジャスティン・ポール。
彼らは2017年のトニー賞でミュージカル作品賞をはじめとした6部門を受賞した、
最も話題のミュージカル『DEAR EVEN HANSEN』の作詞・作曲もしていて、トニー賞ではオリジナル楽曲賞を受賞しました。
そんなトニー賞でのパフォーマンスがこちら!
この動画で歌われているのはDear Evan HansenのWaving Through a Windowという曲です。
社会不安障害を抱え周囲とうまく打ち解けることができない17歳の少年エヴァンが、彼の抱える孤独や自分自身の存在への不安を歌っています。
Dear Even Hansenが気になる方は、こちらの方のブログに詳しくわかりやすく作品の魅力が解説されてましたので、ぜひぜひ!
2人は他にも日本でも上演されたミュージカル『ドッグファイト』や、人気海外ドラマ『SMASH』も手掛けており、2019年公開予定の実写版『アラジン』の作曲チームにも参加が決定しています。
そんな、いま激熱なベンジパセックとジャスティンポールの2人がグレイテスト・ショーマンに書いた9曲、これが全部最高なんです!
劇中の曲で一番有名なのは「This is me」です。
ラジオや街中でもよく流れているので、映画を見ていない方でも、曲は聞いたことある!という人もいるのではないでしょうか。
アカデミー賞にノミネートもされたこの名曲を歌うのは、素晴らしい歌声を持つ髭の生えた女性・レティ役を演じるキアラ・セトル。
「This is me」はフリークスと呼ばれ、体に持つ様々な特徴のせいで世間から日陰の中でしか生きることのできなかったレティ達が「なんと言われようとこれが私なんだ」と自分たちを人々に対して闘いを挑む曲です。
歌詞もこのグレイテストショーマンのテーマを象徴するようなものになっています。
身体に様々な特徴を持ちそのせいで世間から冷たくされ、それを隠して生きろと言われてきた。
でもそんな言葉には屈しない、私たちには私たちのため居場所がある。
見られることも恐れない。
謝ったりしない、これが私よ。
いや~~~かっこいいです。
バーナムのサーカスが始まった最初の頃は「きっと今までみたいに受け入れられない。お前なんて見たくないって言われる」と恐れていた彼らが、
サーカスという居場所を見つけたことで変わり、この歌で自分たちを拒否する人たちに力強く立ち向かっていくんです。
This is Meのシーンは4分ほどですが、撮影には16時間かかったそうです!
歌からもダンスからも魂の叫びを感じるThis is me、これはやっぱり映画館のスクリーンと音響で見てほしい曲NO1ですね。
ちなみに私が一番好きな曲は、バーナム(ヒュージャックマン)とフィリップ(ザック・エフロン)が歌う「The Other Side」です。
2人共もんのすごくかっこよくて、聞くたびに耳が溶けそうになります。
映画を見る前にサントラを聞きまくってた時から好きだったのですが、映画を見てさらに好きになりました。
この曲は、上流階級にも自分の作るパフォーマンスを認めさせたいバーナムが、上流社会で人気の劇作家フィリップを「自分と手を組もう」と誘う曲です。
このシーンはバーカウンターで歌われるのですが、カメラワークとバーテンダーさんが自由自在にグラスを操る躍動感がまるでアクション映画のようでとってもスタイリッシュ!
バーテンダーさんが陰の主役なナンバーでもあります。
タイトルのThe other sideとは「今まで見たことのない世界」という意味。
上流社会で生きてきたフィリップに対し「今まで見たことのない世界を見てみたくはないか?」と強気に交渉するバーナムさん、それに対し「今の生活で満足してるよ」と返しながらも若干心が揺れてるフィリップ。
そんな二人の駆け引きが見れる、かっこいいナンバーです
フィリップを演じるザック・エフロンはハイスクール・ミュージカルのトロイを演じていたことで有名です。
久しぶりのミュージカル出演だったというザック、ハイスクールの時のさわやかなベビーフェイスから雰囲気が変わり、とっても素敵なイケメンおじさまに成長していました♪
優しい歌声と可愛らしい笑顔は変わらずで、このグレイテスト・ショーマンでも多くの女性のハートをキャッチしています!
■スタント無し!空中ブランコのラブシーン
もう一つ、紹介したいのがそんなザックが大活躍する「Rewrite the Stars」というナンバー!
グレイテスト・ショーマンのドラマの中では2つのラブストーリーが描かれています。
1つはバーナムとその妻チャリティのストーリー。
もう1つはバーナムのパートナー・フィリップと、バーナムのサーカスの空中ブランコ乗り・アンの恋愛の物語です。
ピンクの髪が印象的なアンを演じるのは「スパイダーマン:ホームカミング」でミシェル役を演じたゼンデイヤ。
劇中でアンとフィリップはサーカスで出会い惹かれあいますが、階級や肌の色の違いという隔たりのせいで思うままに一緒になることが許されません。
愛しているのに、お互いを求めているのに、それが許されない。
どうしたら運命を書き換えられる?とフィリップとアンが歌う、切ないデュエットがこの「Rewrite the Stars」です。
ゼンデイヤは空中ブランコ乗りの役なので当然ブランコに乗ったり、映像にあるようにロープでアクションを行ったりするのですが、何とこれスタントは無しで彼女がトレーニングをして自分自身でやっているのだそう!
そのことを話しているインタビューがこちら↓
この「Rewrite the Stars」のミュージカルシーン、ゼンデイヤはトレーニングに励み、空中ブランコのプロたちと何か月も協力して上半身と体幹を鍛え、恐怖をおさえる方法を学び挑んだそう。
ザックは、「ゼンデイヤは空中ブランコがとても上手になっていたから、2人で空中のスタントをやり、ハーネスも使わずに空中ブランコに乗った。美しくユニークなシーンになったし、ある意味、シルク・ドゥ・ソレイユとシェイクスピアの組み合わせのようだと思っているよ」と話している。
スタントを使わなかったからこそ、このナンバーの映像がとても自由で躍動感のあるものになったのだろうなあと思います。
ロマンティックで本当に素敵です。
歌詞の中でお互いが「互いのために生まれてきた」といったことを歌うのですが、ほんとにもう・・・そんなこと歌ってみたいし歌われてみたい!!
ゼンダイヤが自身で空中ブランコをやっている撮影風景を、こちらの動画でみることができます。
まだまだ紹介したいナンバーやキャストさんはいますが、あんまり書いちゃうと映画を観た時の新鮮な気持ちがなくなってしまってもったいない(し、すごく長くなっちゃう)ので、今日はこのへんで記事を締めたいと思います!
この記事を読んで、グレイテスト・ショーマンやミュージカルに興味を持っていただけたら嬉しいです。
見たいな~と思っている人は、終わる前に映画館にダッシュですよ!DVDとかを買うにしても、一回は絶対映画館で見といた方がいいやつですから!!
それでは、ここまで読んで下さりありがとうございました!
またお会いしましょう~
(吉村南美)