『昨日より今日はもっと×2!素敵』 BLOG(イケてる大人計画)

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【アニオタはかくしてLIVE演出家になった】32小節目♪「このままでは2020年までにアイドル接触イベントは全面禁止になる!?東京五輪がアイドルブーム終焉の引き金になるのか!?」

れらpです。
先週末(2017年6月24日)、幕張メッセで行われていた欅坂46の握手会イベントで、24歳の男が発煙筒に火をつけるという事件が発生しました。
男はナイフを所持していたことから、駆け付けた警察官に銃刀法違反で現行犯逮捕。のちに男は「メンバーを殺して自分も死ぬつもりだった」と供述しています。

www3.nhk.or.jp(リンク先には動画も載っています)

また起きてしまいましたね…。
3年前の2014年には、岩手県で行われていたAKB48の握手会の会場でメンバーが男にノコギリで切り付けられ、3人が重傷を負うという事件も発生しています。

少し毛色は違いますが、ほぼ1年前の2016年5月には、東京都小金井市で、音楽活動をやっていた女子大生がLIVE会場の入口でストーカーにメッタ刺しにされ、瀕死の重傷を負う、という痛ましい事件も起こりました。

黒い感情の暴発が続いています。


■2020年東京五輪に向けてテロ対策をかつてないほど強化している日本政府

皆さんよくご存じの東京オリンピック。2020年開催まであと3年。
ISISをはじめとする中東情勢の混乱や、北朝鮮をめぐる駆け引きなど、国際情勢がますます混迷を深める中で、日本政府はオリンピックに照準を合わせたテロ発生の可能性を睨み、当然のことながら治安の強化を打ち出しています。
警察・自衛隊をはじめ、テロ対策に関わる諸官庁は、欧米各国情報・治安部門との連携強化・情報交換を強力に進めています。
ロンドンやパリでの度重なる爆弾テロも相まって、当局の警戒レベルはこれからグングン高まっていくでしょう。

◇テロは決して他人事ではない

よく海外に出かける方はご存知だと思いますが、治安が悪い国については、外務省が「渡航注意情報」を出しています。

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www.anzen.mofa.go.jp

こちらの世界地図を見れば一目瞭然ですが、危険度が高い国ほど赤く塗られていて、アフリカ中東東南アジア南米など、実は世界の半分以上が危険地帯である、とされています。
もちろん内戦民族紛争腐敗した政府による圧制・虐殺暴力犯罪など、危険の種類は様々ですが、その中には「テロ」という危険も含まれています。

「テロ」という言葉の意味は皆さんご存知だとは思いますが、今一度簡単に確認しておきます。

テロリズム(terrorism):特定の政治的目的を達成するため,広く市民に恐怖をいだかせることを企図した組織的な暴力の行使。
(出典/ブリタニカ国際大百科事典)

要するに、不特定多数の人に思わぬ時と場所で唐突に命の危険を味わわせることで、正常な市民生活を妨害し、世情を不安定にさせる行為のことです。
もちろん、単に恐怖を味わわせるだけでなく、テロリストたちは実際に多数の人の命を奪うことをためらいません。

中東や欧州では頻繁に爆弾テロが起きていますし、日本でも1995年に当時のオウム真理教が地下鉄でサリンを撒くという卑劣な行為におよび、世界で初めてテロに毒ガスが使用された、という不名誉な歴史を刻んでしまいました。

テロは決して他人事ではないのです。

★東京で大規模爆弾テロが起こった「残響のテロル」★

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terror-in-tokyo.com

◇原発などの重要施設警備と同等に扱われるソフトターゲット対策

こうしたテロ行為に対し、もちろん政府は対抗措置を取っています。
とりわけ、重要な政府機関国会総理官邸中央省庁など)や交通の要衝主要駅鉄道路線空港高速道路など)、重要インフラ原子力発電所ダム港湾施設など)は真っ先に警備の対象となり、実際に警察の特殊急襲部隊(SAT)が常駐している施設も存在します。

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(画像は産経ニュースから)

www.sankei.com
ただ、これらと並んでテロ対策を強化しなければならない対象として、治安当局を悩ませているのが「ソフトターゲット」
多数の人が集まるショッピングモールや大規模劇場、公園、テーマパーク、スタジアム、各種イベント会場、観光地などのことです。

事実、ロシア(当時はソビエト連邦)では、モスクワの劇場にチェチェン武装過激派が突如として乱入し、多数の人質を取って立てこもった挙句、最後は治安当局との激しい銃撃戦の末に多くの人質が巻き添えを食らって命を落とす、という悲劇もありました。
インドネシアのバリ島では、レストランが襲撃され、多数の観光客が殺されるという事件も起こりました。
アメリカでも、マラソン大会の沿道で爆弾が破裂し、参加していたランナーや観客が命を落としています。
最近では、イギリスのマンチェスターで開催されていたアリアナ・グランデのコンサート会場で爆発があり、22人が死亡するというテロ事件が起きたばかり。

重要施設は警備が厳重だから、こうした民間のイベント会場などを狙ってテロ行為を起こす、というのが最近の脅威なのです。

当然これを受け、日本政府も五輪に関するテロ対策では「ソフトターゲット」への対処というのも相当シビアに考えていると思います。

そんな世情の中でのアイドル関連の度重なる事件。


■ソフトターゲットの対策強化でアイドルイベントが槍玉に挙げられる可能性は極めて高い

不特定多数の人が集まる接触イベント会場におけるこうした事件は、実態としては"単なる跳ね返りの単独犯行"ではありますが、その態様が「結果として公衆を巻き込んだ暴力行為」になってしまっていることから、「準テロ行為」として治安当局から目を付けられ始めているとしてもおかしくはありません。

今回の欅坂事件も、来場者の手荷物検査がなおざりだった、という複数の証言があることから、事件後、主催者も警察から相当強く警備強化の指導を受けたようです。

非常に不謹慎な例えかもしれませんが、もし僕がテロリストなら、この事件にヒントを得て、五輪期間中に行われるアイドル接触イベントで大きな騒ぎを起こすかもしれません。
なぜなら手荷物検査がザルだ、ということが分かってしまったからです。
そしてアイドルが被害を受けた、となれば全国放送ですぐさまトップニュースになるほどの注目が集まる、ということが分かってしまったからです。

テロリストの目的は「人心擾乱」。
これほど格好のソフトターゲットはありません。


◇アイドル側は警備強化を打ち出してくるだろうが…治安当局の信頼を失ってしまった

そもそも岩手でのAKB襲撃事件のあと、運営側は大々的に警備強化を宣言しました。
その結果として、それまでは比較的ヌルかった握手会の会場運営が、ものものしいパーテーションと鉄柵、制服警備員の配置、例外のない手荷物検査の実施、などに繋がっています。
イマドキのAKB握手会は、なんだか檻の中で行われているような風景。

それでも、メンバーの安全には代えられません。
来場するアイドルファンたちも、もちろんこうした会場づくりに全面的に協力して、このような状況に文句を言う人は誰もいません。

当時は岩手の煽りを食らって、全国の多くのアイドルたちが接触イベントの見直しを余儀なくされました。
特に企業が関わっている(スポンサーがついている)ような場合は、万が一同様の事件が起きたら企業にも迷惑がかかる、ということで、イベント自体の中止や規模の縮小、接触形態の変更などを行わざるを得なかった。
当時は僕自身もその渦中にいましたので、大きな憤りとともにそうした計画の修正を受け止めた記憶があります。

★元アイドルを狙うストーカー…日本を除く世界中でR-18指定を受けた衝撃の問題作「PERFECT BLUE」★

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あれから数年。これらのアイドル側の努力がようやく社会に認知され、ふたたび接触イベントも活況を呈してきていた矢先の今回の事態。

「警備強化は見た目だけ、実際はほとんど実効性がない」ことが世間にバレてしまった。
欅坂もAKBと同じ系列。アイドル業界最大手のグループがこんな体たらくだったことで、治安当局のアイドル界隈への信頼は、完全に地に堕ちたことでしょう。

今後アイドル側が「さらなる警備強化」を宣言しようが、世界最大のイベントを開催する日本の治安維持を図らなければならない当局は、アイドル側の言い分を今後一切信用しないでしょう。


◇「集会の自由」は運用でいくらでも制限できる…接触イベントが許可制・あるいは全面禁止になる可能性も!?

日本では憲法21条「集会・結社の自由」が認められています。
だから普通の人は「アイドルの接触イベントを警察当局が禁止するなんて出来るわけがない」と思うかもしれません。
でも、日本の官僚はとても優秀です。現行法制の中でいくらでも抜け道を探すし、新しい法律解釈も生み出してきて、完璧な理論武装を図る。
ぶっちゃけ、日本の警察がその気になれば「あらゆる法令を駆使して」なんだってできるんです。

別に警察がアイドルに直接言わなくたっていい。会場(今回で言えば幕張メッセ)管理者に、アイドルに使用許可を出すな、って趣旨の「要請」を掛けるだけでいいし、それで会場が使えないからってことでどこかの大きな公園(たとえば代々木公園とか)でやろうとしたら、今度は公園管理者(多くは自治体だ)に同じような「要請」を出すだけの話。
もちろん警察が管轄している道路の「占用許可」は絶対出さない。
じゃあ小規模のライブハウスとかでやろうとしても、今度はライブハウス営業の法的拠りどころになっている自治体の騒音条例とかを持ち出して、その接触イベントに解散を命令すればいい。

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それに、実際のところここまでやらなくても、アイドル運営も警察に「目を付けられる」といろいろ不都合ですから、比較的容易に「協力」に応じていくことになるでしょう。
秋元氏も東京五輪のナントカ委員になっていますから、立場的にも当局からの要請があればすんなり応諾すると思われます。

当然、当局は飴も用意するでしょう。
五輪関連のなんらかのキャンペーンにアイドルたちを起用したり、「一日警察署長」に任命したり…。
当局に協力すれば見返りがある、ってことになれば、無意味に突っ張って接触イベントを強行するアイドルはほとんどいなくなるでしょう。

かくして「五輪に向けた治安維持のためのアイドル接触イベント自粛」が実現する。

場合によっては、「警察が許可したアイドルだけ」接触イベントが出来るようなスキームになるかもしれない(その場合も、十全の警備計画を事前に警察に提出することが義務付けられる)。
むしろ許可するグループと許可しないグループを意図的に作り出すことで、より従順に従うアイドル業界を巧みに作り上げるかもしれない。

「国家の統治」とは、元々こういうものなのです。


■今のアイドルブームは接触イベントあってのもの…禁止されたら一気にブームは終焉を迎える

ただ、この「自粛」期間が、五輪期間中だけだったとしたら、まだ誰も異議を唱えないでしょう。
だってやっぱり安全が一番だもんね!出来ることは協力しようよ!って誰もが直感的に考える。

でも、その自粛期間が五輪開催の半年前から、あるいは一年前からだったら?
あるいは、五輪が終わってからも「自粛」という名の「事実上の禁止」が続いたら?

今のアイドルブームは、間違いなく「接触イベントがあるからこそ成り立っている」。
AKB48が12年前に始めた「握手会」などの、アイドルとファンが限界まで近づくことで成り立つ接触イベント。そしてそのニーズがあるがゆえに売れてきたCDやグッズ、成立してきたライブやコンサート。
接触イベントが禁止されれば、一気にこのビジネスモデルが崩壊し、世の中のアイドルの9割方が経営危機に陥るでしょう。

そうなれば今のアイドルブームは間違いなく終わります。
歴史のサイクル的にも、アイドルブームが10年以上続くことはそもそも稀ですから(むしろ現在が異常なロングラン)、タイミング的に「潮時」を迎えるとしてもおかしくはない。

いやいや!そんな長期に亘って禁止になるわけないでしょ?って思いますか!?
ドルオタの皆さん、世間はそんなに甘くないですよ!?


■五輪に向け、あらゆる分野で世界標準を目指す流れがあるんだよ!?

オリンピックというのは、そもそもIOCという"民間スポーツ団体"が主宰する単なるスポーツイベントに過ぎません。
ただ、その規模が世界レベルだし、各国とも国威発揚の一大チャンスとばかり、国家を挙げて大会の開催を後押しします。もちろん、スポンサーシップや放送権など、五輪利権は巨額に上る。
開催国・開催都市は常に世界中から注目され、世界中の人々が開催国を訪れます。

つまり、2020東京五輪は、まさに世界中から見られるイベントとなるのです。
その際にもし、世界の人々から「日本の常識はオカシイ」と指摘されるようなことがあったら、国際的な信用失墜に繋がってしまう。

「受動喫煙問題」がクローズアップされ、東京五輪までに公共の場での喫煙行為は全面禁止にしよう、という議論が国会でなされているのは、そういった事情によるものなんです。

これと同じ理屈で、「10代の未成年が主役となって」活躍している今の日本のアイドルシーンに異議を唱える政治主張が、この先出てこないとは限らないのです。

日本人はあまり気にしませんが、グローバルスタンダートにおいては「未成年が労働すること」や「性を売り物にすること」については、極めて厳しい目で見られます。
日本のアイドルは、未成年だろうがなんだろうが、ミニスカートに場合によってはヘソ出しという、肌の露出の多い衣装を着て、長時間労働を強いている。
これらの行為はキリスト教文化圏の人にとっては「児童ポルノ」とも受け取られかねないし、長時間労働は「児童虐待」と言われるかもしれない。

★「日本一スカートの短いアイドル」がキャッチフレーズだったスマイレージ(現:アンジュルム)の過激衣装★

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ましてや、未成年の少女が予測不可能な暴力にさらされる可能性のあるイベント(=握手会など)に出ることを"無理強いされている"と解釈されたとしたら、一定数の人々(それは政治家であったり、女性人権活動家だったり)がこうした接触イベントに異議を唱え始める可能性は極めて高いでしょう。

今回の欅坂事件は、不幸中の幸いでメンバーに被害は出ませんでしたが、今後もし同様の事件が再発してアイドルが怪我を負ったり、最悪の場合殺されたりする事態が起きたとしたら、世論は一気に「接触イベントまかりならん」という空気に支配されることは間違いありません。
東京五輪を見据えて日本の市民社会を世界標準に合わせようという政治的うねりの中で、問答無用で針が振り切れることは大いにあり得るのです。


■じゃあ僕たちは今、どうすればいいの?

資本主義の世界では、お金儲けにブレーキを掛けることは事実上不可能です。
だからアイドルの接触イベントでお金儲けが出来る限り、今の形態は絶対になくならないと思います。

アイドルちゃん達も、歯を食いしばって今の接触イベントをやり続けるでしょう。

歯を食いしばって!?
そりゃそうです。そもそも年端のいかぬ少女たちが、見ず知らずの不特定多数の(好きでもない)男性と握手をし続ける。人気アイドルであれば、一日に数百人、場合によっては千人以上と握手する。
僕は実際に、そういう現場に運営的な立場で居たこともありますが、一日中握手をし続けた彼女たちの手は、赤く腫れ上がる
AKBやハロプロなど、握手会だけで成立するアイドルはまだしも、世の中の大半のアイドルは1時間なり90分なりのライブを全力でやったあとにさらに1時間も2時間もかけて握手会を行うわけですから、肉体的にも非常に過酷な行為なんです。

ぶっちゃけると、全力でライブをやったあと、汗を拭いて化粧を整えて、あらためて握手会に向かう子たち、中には楽屋で「出たくない」って涙ぐんでる子もいれば、深いため息をつきながらも気合を入れ直して席を立つ子だっているんです。
それでもファンの前に立った時、彼女たちは満面の笑顔でファンと握手をし続けている。

接触イベントの裏側には、こんな現代版「女工哀史」みたいな側面があることも、オタの皆さんには知っていただきたい。

そのうえで、本当にアイドルちゃんたちの幸せを願う僕達ドルオタは、この手のイベントを今後どう捉えるべきか!?
不幸な事件が再び起きてしまった今だからこそ、ほんのちょっと立ち止まって考えてみてもいいのではないか?と思うわけです。

願わくば、世界中の耳目が集まる東京五輪の時、日本のポップカルチャーの一角をなす「アイドル」というジャンルが、なんの規制もなく世界中の人々に知ってもらえることを祈って、今日のエントリーを締めたいと思います。