みなさんこんにちは!
素敵な舞台女優 を目指して修行中の音大生、
吉村南美です
私はみなさんに舞台の魅力をもっともっと知って らうために『舞台』 をテーマに記事を書いています!
そしてあわよくば、 私が売れっ子になった時に皆さんにとって舞台が身近な存在になっ ていて、たくさんの人に見に来てもらえたらいいな!とも思っています(笑)
こちらのブログを更新するのが、だいぶ
お久しぶり になってしまってごめんなさい。
1000人TVも放送を開始し盛り上がってきたので、これからは心を入れ替えてもっと更新していきたいと思います。目指せ週1ペース!
私の記事では、皆さんの舞台選びの参考にしていただくための『舞台選びのススメ』 シリーズ をお送りしています。
前々回は『舞台選びのススメ-おすすめミュージカル編( 2017年上半期)』 をお届けしました。
上半期があるなら、下半期もある!!
と、いうことで
おすすめミュージカル情報、 下半期編も引き続き発信していきたいと思います!
さて、今回も記事の本題に入る前に最近観た舞台のお話をひとつ~
先日、以前ブログでも紹介したミュージカル
『キューティー・ブロンド』
を観てきました!
いやあ~~~面白かったです!!最高!!
ブロンドの主人公・エル を演じるのはアナ雪でおなじみの神田沙也加 さん。
私は以前『1789』というミュージカルで神田沙也加さんを観たのですが、その時よりすごくよかったなあ~と思いました。
神田沙也加の可愛らしくてパワフルな声が、エルにとってもぴったりなんです!
エルはかわいいだけじゃなくて、お笑いっぽいこととか馬鹿っぽいことも結構やるんですが、それも思いっきりやられてて、とても素敵でした。
個人的に好きだったのは、元彼のワーナーと同級生のビビアンが付き合っていることを知った時に、エルがショックで吐くところの演技です(笑)
そんな神田さんを始めとして、『キューティー・ブロンド』は魅力的なキャストさんばかりでした。最近見たミュージカルの中だと、一番キャスティングがしっくりきた作品です!
「上院議員を目指す自分に、ブロンドの彼女はふさわしくない」という理由でエルを振ったワーナー役を演じた植
原卓也 さん。細くてスタイルが良いので、最初に出てきた時のチャライケメンオーラがすごい!笑 さすが、ダンスもキレキレです。
個人的にとても好きだったのは、
エメット役の佐藤隆紀 さん !
優しくて伸びのある声が、エルを見守り支えるエメットにぴったり!
ワーナーと違って、イケイケしてないのがとってもいいんです!笑 デパートで自分の中にあるエルへの恋に気づくシーンはキュンキュンが止まりませんねえ~
曲は、エルに自分の過去を語り励ます『Chip on My Shoulder』が好きです。
最後の「生まれ変わったエルウッズ~♪」のどこまでも伸びる響きが本当に素敵です。
更にこのミュージカル、アンサンブルさんのパワーがすごい です!
みんなスタイルがよくて、ダンスがキレッキレ。
作品全体の雰囲気を明るく、元気に作り上げてくれています!
私と同じ大学の卒業生で先輩の浜平奈津美さんもアンサンブルとして出演されていて、とっても素敵でした♪
『キューティー・ブロンド』という作品はただのラ
ブコメ ディミュージカルではなく、
エルという女の子が自分の力で立ち上がり、本当に自分のやりたいことをみつけ女性として自立していく物語 です。
そういった現代女性へのメッセージがあるから、こんなに多くの人に愛されるミュージカルなのだと思います。
そんなキューティー・ブロンドですが、残念ながら東京公演は終わってしまったのですが、今月30日まで全国を回って公演をしているので、みなさんの住んでらっしゃる地域でやっているかぜひチェックしてみてください♪
さてさて、それでは今回の本題に入っていきたいと思います!
前回の紹介の際には3-6月をまとめて記事に書いたのですが、それだと長くなりすぎるので、
今回から1記事ごとに1つのその月のおすすめミュージカルをじっくり紹介していこうと思います!
今回の記事では7月のおすすめミュージカル を紹介していきます♪
紹介する作品は、
・私が作品を観たことがあって、自信をもっておすすめできる
・ミュージカルが初めての方でも楽しみやすい
こちらの2つのポイント を中心に選んでいます!
おすすめミュージカルのあらすじ、見どころ、 歌やダンス の情報を紹介していきます!
皆さんの舞台選びの参考になれたら嬉しいです♪
それでは、2017年7月のおすすめミュージカルはこちらです!
■7月 世界が熱狂した、伝説のミュージカル『RENT(レント)』
(出典:シアタークリエ ミュージカル『RENT』 )
心震える度: ★★★
●オススメポイント
1.ミュージカルの歴史を変えた、伝説的な作品
3.「seasons of love」を始めとした、ストー リーを彩る様々なジャンルの名曲たち
7月2日から8月6日にかけて、日比谷のシアタークリエで上演予定のミュージカル『RENT』。
シアタークリエでは5回目の上演になります!
この『RENT』というミュージカルは「伝説のミュージカル」 と呼ばれています。
「名作」と言われるミュージカルは数多くありますが、「伝説」といえば『RENT』なんです。
まずは、そんなRENTのあらすじ をどうぞ。
映像作家のマークは友人で元ロック
バン ドのボーカル、ロジャーと古いロフトで暮らしている。
夢を追う彼らに金はない。家賃(レント)を滞納し、クリスマスイヴにもかかわらず電気も暖房も止められてしまう。
恋人を
エイズ で亡くして以来、引きこもり続けているロジャー自身も
HIV に感染しており、せめて死ぬ前に1曲後世に残す曲を書きたいともがいている。
ある日彼は階下に住む
SMクラブ のダンサー、ミミと出会うが、彼女もまた
HIV ポジティブだった。
一方のマークはパフォーマンスアーティストのモーリーンに振られたばかり。彼女の新しい相手は女性弁護士の
ジョア ンヌだ。
仲間のコリンズは暴漢に襲われたところをストリートドラマーのエンジェルに助けられ、二人は惹かれあう。
季節は巡り、彼らの関係も少しずつ変わってゆく。出会い、衝突、葛藤、別れ、そして二度目のクリスマスイヴ……
こちらのあらすじからも分かるように、
貧困・エイズ ・LGBT といった様々な悩みを一人一人抱えていて、すごくドラマがしっかりしています。
「歌えばハッピー!」、そういったミュージカルとは全く違った雰囲気をもった作品です。
RENTが生まれたのは1996年ですが、今も熱狂的なファンが数多くいる作品 です。
もちろん私も大好きで、国際フォーラムで上演された昨年末の来日公演も観にいきました。
そこで感じたのは「劇場全体がとても熱い」 ということでした。
舞台上だけでなく、観客席までもが作品への愛にあふれていて、すごい空間でした。私は他にあんな作品を知りません。
RENTはそれくらい人を引き付ける魅力をもった、すごい作品なんです。
では、なぜRENTは「伝説のミュージカル」 と呼ばれているのか。
その理由たちを、 少々長くなりますがお話していきたいと思います。
●脚本・歌詞・作曲を一人で手がけた天才、ジョナサン・ラーソン
『RENT』は1996年の2月13日にオフ・ブロードウェイ( ブロードウェイに比べて小さめの劇場)で産声をあげました。
そのわずか二ヶ月後にブロードウェイに進出し、大成功します!
さらにアメリカ演劇界における最高峰の賞、トニー賞 でミュージカル作品賞・ミュージカル脚本賞 ・ オリジナル楽曲賞のなんと三部門を受賞しています 。
それ以降
12年4ヵ月という超ロングラン公 演(歴代8位。
ちなみに1位は
オペラ座の怪人 )を続け、
2008年にブロードウェイで幕を下ろしました。
そんな大ヒット作を生み出したのは、ジョナサン・ ラーソン という男性です。
彼はなんとRENTの脚本・歌詞・作曲を一人で手がけました。
通常、 ミュージカルでは脚本家と作詞家と作曲家は別であることが普通で す。
それは彼は7年という時間をかけて、一人で作り上げたのです。
このミュージカルのために書かれた曲は200曲以上と言われています。
彼の恩師は『
スウィーニー・トッド 』『イントゥ・ザ・ウッズ』
などのミュージカルの楽曲を生み出したスティーブン・
ソンドハイムです。
彼は、35歳 という若さでこの世を去っています。
彼が亡くなったのは、1996年1月25日。 RENTの最後のドレスリハーサルを終えた深夜でした。
RENTの開幕を同日の夕方に控えながら、 その本番を見ることは叶わずジョナサンは亡くなりました。
そして1月25日のプレビュー初日は急きょ、リーディング形式による上演に変更されました。しかし中盤の「La Vie Boheme」に差し掛かると、キャストたちはいっせいに踊りはじめそのままカーテンコールまで踊り切りました。
そしてカーテンコールで一人の観客が「Thank you Jonathan Lason(ありがとう、ジョナサン・ラーソン)」 というと、舞台・客席の誰もがこの言葉を口にし劇場は拍手に包まれました。
ジョナサン・ラーソンにまつわるこの悲劇的であり感動的なエピソードが、RENTが「伝説」と呼ばれる理由の大きな一つとなっています。
RENTを説明する上で欠かせない要素として
「エイズ 」 があります。
上のあらすじにあるように、
RENTの物語の中には多くの
エイズ 陽性者の登場人物達が出てき
ます。
上の写真のロジャーとミミは、お互い
HIV 陽性者のカップルです。
エイズ とは、
無防備 な性行為や注射針の使い回しなどで血液を介した時に感染す
る病気です。
昔は潜伏期間を経て、死に直結する病気 でした。 今も完全な治療法は見つかっていません。
ミュージカルの本場ブロードウェイのある国、
アメリカでは1981年に
エイズ 感染者が初めて見つかります。
エイズ は
薬物使用者・男性の同性愛者(ゲイ) を中心として流行し、
90年代にアメリカで感染者が爆発的に増え、 多くのアメリカ人の恐怖の対象になりました。
そんな混乱の中の1996年に、RENTは誕生しました。
RENTという作品は、
エイズ と死への恐怖、 同性愛者への差別といった問題に真っ向から立ち向かい、 アメリカの若者達に衝撃を与えました。
「NO DAY BUT TODAY」 というRENTを代表するフレーズがあります。
これは「今日という日があるだけ」といった意味です。
明日死ぬかもしれない 、そう思いながら今を受け入れ生きる登場人物たちの姿 に多くの若者たちが共感し 、感動し、RENTは若者たちから圧倒的な支持を得ました。
●『今』を生きることへの深いメッセージを持った楽曲
RENTの中にはロックやポップスを始めとして、フォーク、チャチャ、ディスコ、ゴスペル、タンゴ など様々なジャンルの音楽が出てきます。
これを一人で書き上げたのだと思うと、改めてジョナサン・ラーソンの天才っぷりが身に染みます。
VIDEO
個人的に大好きなナンバーはこちらの『Today 4 U』 です!
この曲を歌うエンジェル はコリンズの恋人で、ヒスパニック系のゲイです。
彼もHIV 陽性者ですが、いつも前向きのパワーを持ち生きている、とても魅力的な人物です。
名前の通り、天使のように皆に希望を与える存在としても描かれています。
そんな彼が躍動的に歌い踊るこのナンバー、とってもおすすめです!
VIDEO www.youtube.com
そしてRENTといえば、こちらの『Seasons of love』 がとても有名です。
CMなどでもよく使われている曲などで、RENTは知らなくてもこの曲なら知ってる!という方は多いと思います。
そうやって、ひとつでも知ってる曲があるとミュージカルを見る楽しみがぐっと増えるので、いいなあと思います♪
この『Seasons of love』という名曲は、映画版では最初に、舞台版では二幕の最初に歌われています。
静かなピアノから始まり、キャスト全員が力強いコーラスで歌い上げるゴスペル調のナンバーです。
タイトルは直訳すると「愛の季節」 になるのですが、皆さんはどういう意味だと思いますか?
歌詞を紹介しながら、少しだけ『Seasons of Love』について説明していきたいと思います。
冒頭は、このような歌詞で始まります。
Five hundred twenty-five thousand Six hundred minutes Five hundred twenty-five thousand Moments so dear Five hundred twenty-five thousand Six hundred minutes How do you measure-measure a year
最初に繰り返し歌われる「525600」 という数字、これは1年間を分で表したものです。
数字で表すと525600分という一年間、あなたは何で表しますか?と、問いかけています。 How about love How about love How about love Measure in love Seasons of love Seasons of love
「一年を、愛で数えてみよう」
この歌の中では問いかけに対し、そう答えています。
人生の中には色んなことがあり、人それぞれの価値基準で人生を測っていると思います。
この曲では、誰かを愛したこと、誰かに愛されたこと、それらで人生を感じていこう ということを言っています。
つまりタイトル「愛の季節」というのは愛で季節を彩ろう、そうやって一年を過ごすんだ ということなのだと、私は思っています。
(出典:ミュージカル「RENT/レント」のチケット販売・予約|e+(イープラス) )
以上が、RENTが「伝説のミュージカル」と呼ばれる魅力たちをお送りしました!
もちろん、ここで紹介しきれていない楽曲や人物たちがまだまだたくさんあるので、そちらはぜひ劇場でチェックしてみてください♪
VIDEO
2017年7月2日から8月6日にかけて、東京・日比谷のシアタークリエにて上演予定です。8月10日から27日は、全国各地で公演が行われます。
世界中を熱狂させたミュージカル『RENT』、みなさんもぜひ伝説をその身で体感してきて下さい!
それでは以上『舞台選びのススメ -おすすめミュージカル編(7月)- 』 をお送りしました!
次回は、8月のおすすめミュージカルを紹介していく予定です。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
それでは、また♪
(吉村南美)