れらpです。
このエントリーは前回からの続きですので、まだお読みになっていない方はぜひ「前編」もご覧くださいませ!
<前回記事の要旨>
▽勘と経験で商売をする時代はとっくに終わっている!マーケティングの重要性!
▽日本のタレントマーケティングはまだまだ遅れている…エンタメの本場アメリカでは一般的な手法!
▽最近のヒット作には緻密なマーケティングが行われている形跡が!事例報告
★記事後半でちょっと触れます「あの花」(←略称)★
劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。| アニメ公式サイト
それでは後編スタートです。
■観客が「見たいもの」を見せるのがエンターテインメント!「A/Bテスト」ってご存知ですか?
ハリウッドにしても、最近の日本のヒット作にしても、共通しているのはこの一言。
「観客が"見たいもの"を見せている」
この「見たいもの」のことをマーケティング用語で「ウォンツ」といいます。
一般的には「ニーズ」という言葉があるのは皆さんご存知ですよね(「消費者ニーズ」とかって言いますよね)。
この言葉はその名の通りユーザーが「必要としているもの」。
ウォンツというのは、その"必要なもの"の一形態なんですが、一般的なニーズよりさらに上位に位置する、「どうしても欲しいもの」といえば分かりやすいでしょうか。
人は、"どうしても欲しいもの"を手に入れるための努力と手間は惜しみません。
だとすれば、プロダクト側は、このウォンツを追求する必要がある。
それではじめて同業他社より「アタマひとつ抜けることができる」わけです。
★欲望も度が過ぎるとこんな感じ…ロンドンの絵本作家が作ったという衝撃の3分アニメ★
エンターテインメントの世界でマーケティングを駆使するのは、この「ウォンツをいかに見つけるか」もしくは「いかにウォンツ(付加価値)を付けていくか」という作業にほかなりません。
たとえばこのブログ。
前編記事で「最近はドルオタ丸出しの記事ばかり書いているが、その種明かしをする」と書きました。
ということで種明かしです。
実は、僕が書いた記事、今まで14本あるんですが「アイドル関連記事がよく読まれている傾向がある」んです。
だから僕は最近、アイドル関連記事を立て続けに書いている。
ユーザーのニーズに密かにシフトさせているんです。
これは「A/Bテスト」と呼ばれるマーケティング手法の一種です。
A:「アニメ関連記事」
B:「アイドル関連記事」
この二種類の記事を出した結果、Bのアイドル関連記事の方がよく読まれる傾向がある、という傾向が見えてきた。
なのでしばらくはアイドル関連記事を投稿し続け、一定程度のサンプルが取れたら、次はアイドル関連の、どういう傾向の記事がよく読まれるのか、というさらに詳細なデータを取っていくわけです。
そして時々、アニメ関連の記事も比較対象のために投稿する。
その結果を見て、さらに次の方針を決めていく。
その繰り返しで僕自身のブログ記事にどうやったら「付加価値」がついていくのかを模索し、最終的には「僕の記事が読みたいから読者登録する」というところを目指したいな~、なんて。
(まぁせっかく記事書いてるんですから少しでも多くの方に読んでいただきたいわけです)
ここまでくると僕の記事の価値は「ニーズ」から「ウォンツ」に格上げされているはずです(…と思いたい)。
そのうち「投稿するタイミング」や「記事タイトル」「流入ルート」なども分析して最適化を図ろうと思います。
本当のA/Bテストは、厳密にはAの記事を読む一団と、Bの記事を読む一団にサンプルを分け、同時に配信することでそのリーチ傾向を読み取っていくのですが、
さすがに今のスキームではそこまで細かいアナライズができませんので、「なんちゃってA/Bテスト」というレベルですが笑
ちなみに、最近大きくシェアを伸ばしているアメリカ発のVOD事業者「NetFlix(ネットフリックス)」は、このA/Bテストを現在進行形で全世界で徹底的にやっています。
情報ボリュームはまさに「ビッグデータ」といえるレベルです。
ある人が見ているNetFlixの画面と、別の人が見ているNetFlixの画面、違いますからね笑
おそらく契約時に「お客様の視聴データは今後のUI改善のために活用させていただきます」といった文言が入っているはずですが、それを普段から意識している人なんてほとんどいないでしょう。
そういう意味ではまさに「知らないうちにマーケティングサンプルにされている」感覚ですよね。
世界のマーケティング最先端って、ここまで徹底してるんです。
■ニーズが高いものを優先的に強化するのが鉄則!!
いずれにしても「ユーザーが見たいものを見せていく」という方針は、現代の、スピード勝負のネット社会においては当たり前のことなんです。
先ほど「アイドル関連記事の方がよく読まれているから、最近は立て続けにアイドル記事を書いている」とサラッと書きましたが、
「ニーズのあるものを強化」する方が「弱いものをテコ入れ」するよりも優先される、というのがネット世界の鉄則です。
なぜなら、目の前に顧客がいるのにそのニーズに応えない(=アイドル関連記事を書かない)と、顧客が逃げてしまう、つまり「機会喪失」してしまうからです。
今まで表れなかった"潜在顧客"(=アニメ記事を好む層)への対策は、ひとまず後回しです。
それによってマーケット内に一定のシェア(橋頭保)を確保してから、じっくり潜在顧客への認知拡大を図っていきます。
同じことがタレントマーケティングにも言えます。
今の日本のタレントビジネスは、基本的に「プロダクト側が見せたいものを提供している」という図式。
たまたま「見せたいもの」と顧客の「ウォンツ」が一致すればいいが、残念ながら大半はマッチングしていない。
もちろん、どんなものにも一定の「ウォンツ」はありますから、最低限のファンは付く。
問題はそれが一定以上の規模に拡大するかどうか?なんです。
これだけ人々の嗜好が細分化し、それをSNS等でシェアすることが主流となっている現代においては、特定クラスタにしかマッチングしないセールスはヒットに繋げることが出来ません。
「最大公約数」を提供していくことで、ようやく規模が拡大する。
前編記事で触れた「君の名は。」で、キャラクターデザインを担当した田中将賀さんという方は、もともと「あの花」とかのキャラデザをやっていた方です。
深夜アニメのコアなファン層には絶大な人気があったいわば「尖った」センスの方でしたが、そんな田中さんの作るキャラが一般ウケするように、新海監督はここにジブリ作品などで活躍していた安藤雅司さんという作画監督をブッキングしています。ジブリ作品は皆さんよくご存じだと思いますが、これによってアニメキャラたちが、非常に繊細な「芝居」を打てるようになった。アニオタ的にはここも、この作品が一般ウケするための非常に重要なポイントだったと思うのです。
★切なくて、切なすぎる…「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」★
それでは「最大公約数」はどうやって探っていくのか!?
ここに、さきほどご紹介した「A/Bテスト」などのさまざまなマーケティング手法が生きてくるのです。
■ユニットの音楽プロデュースをマーケティング手法で試してみたいゾ!!
最後に。現在僕が取り組んでいるのが、タレント重盛さと美さん擁するガールズユニットLLSの音楽制作。
今一生懸命楽曲作っています♪
メンバー3人いるので、それぞれにソロ曲も制作中なのですが、これがなんと3曲とも実に方向性の違う曲なんです。
もちろんユニットで歌う曲、それも3人で歌う曲、2人で歌う曲、などさまざまなバリエーションを用意していく予定です。
ということは…。「A/Bテスト」できそうですね。
今後おそらくYouTubeでの公開やら、LIVEでのパフォーマンスやらで、お客さんに聴いてもらえる機会が出てくると思いますが、MVの再生回数やら、誰の曲が一番良かったか?をアンケートとってみたりとか、いろんな手法でファンの「ウォンツ」を探っていけたらいいなと思います。
★よく見るとあの人(Dくん)も登場してます!★
LIVEのテイストも、終了後にしっかり観客の反応を訊いて、次回はそれを反映させていく。
そうやって、しっかりマーケティングしながら「最大公約数」を見つけていきたいですね。
そしたらきっと「キラーコンテンツ」が生まれるんじゃないかな〜、と思っています。
さて、どうなることやら…笑笑