今日紹介したい音楽ビデオは…
この人は、ジャン・ポール・ゴルティエさん!
今や、セブン・アンド・アイ・ホールディングスでもそのブランド「SEPT PREMIERES」で、2016年の春夏の商品をコラボする、ということになっているわけなんですが…
そんな、ジャン・ポール・ゴルティエさんに、音楽ビデオがあったのはご存知ですか?
某ブログでちょっと前に書いたのですが、改めてここでもご紹介!
(ブログ取り上げ時のYouTube再生回数:22,679回)
Jean Paul Gaultier "How To Do That" (1989) です!
構図も色も、すばらしい!グリーンバックで合成なんだけど、なかなかこの感じに持っていけないなあ。
ビデオ中、1:07あたりとかは、まさに「Vogue!」。
この曲は、 1990年ですから、ちょっと早かったのですね。
マドンナは、同じく1990年の「Blond Ambition Tour」で…
ゴルティエにライブの衣装のデザインを依頼。
このツアーのドキュメンタリーもあって、それが
この映画です。
Madonnaのいやーなところがふんだんに収められた(いや、意図的に、なんですが)とてもいい映画です。
おっと、
「How To Do That」に戻ると…
フランス語では、「H(英語のエイチ。フランス語ではアッシュ)」の音は発音しないので、
「ハウ〜」ではなく、「アウ・トゥ・ドゥー・ザット」というふうに発音しているのが、印象的です。
このビデオ、すごく好きで(仕事始めたばかりの時、この手の音楽ビデオを集めた番組を作っている会社におりまして)、探してましたが、YouTubeで、こんなにいい画質で見れるとは!
この音楽ビデオの発表は、1980年代終わり…日本は、バブルで沸いていた時代、のものですね。89年は昭和天皇が亡くなった年でもあります。
1988年あたりといえば…
Bobby Brown "My Prerogative"…のちに、Britney Spearsがカバーしました。
のちに、Britney Spearsがカバーしました。
Paula Abdul ”Straight Up"…
近年彼女は、アメリカン・アイドルの審査員で復活しました。
Janet Jackson "Miss You Much" …
Jimmy Jam & Terry Lewis プロデュースの大ヒットアルバムから。
Debbie Gibson "Lost In Your Eyes" …
アイドルっぽい存在ながら、作詞作曲を愛用の YAMAHA DX7(このシンセが、また時代っぽい)で作っていたという、才能豊かなシンガーソングライター。
…らが、ヒットしてました。
MTVが音楽の中心表現に、鎮座した時代。
その時代背景で、ゴルチエはこんなアートなビデオを見せてくれていました。
上記のビルボードのヒット曲のビデオを見直してみると…
コントラストの強い白バックのダンスシーンとか、モノクロの映像、スモークのなかのダンス、ドラマ仕立て、みたいな、定番の作りがやはり多い時代でした。
そんななか、この"How To Do That"は、異色ですね。
背景の「グレイ」の色味、この感じを出そうと、自分の作っていた音楽ビデオで、苦心してやってみた記憶がよみがえります…でも、なぜかそんな風にならない…。
人物の「白さ」やコントラストも、なかなかこうはならない。
いまでも、むしろ逆にこんな雰囲気の映像ってできない気もするし。
チープな感じが、アートに転ぶ、という、一番憧れのパターンです。
オリジナリティとは、なんだ? という問いかけに、明確に答えている、音楽ビデオの一つであると、思っています。
次も、もっと面白いビデオを紹介します!
See Yur Music!
では、またお会いしましょ。さよなら、さよなら、さよなら…!
ついでに、川村ケンスケの「黒・音楽ビデオ/映像論」を読みたい方は…
(といっても、「黒」ばっかりではないですが…)
こちらも!
ぜひお読みください!