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【アニオタはかくしてLIVE演出家になった】13小節目♪「引退後のアイドルのセカンドキャリア形成は意外に深刻な問題!?【後編】」

アニオタLIVE演出家のれらpです。
前回「引退後のアイドルちゃんのセカンドキャリア一番人気は"女優"」というところまでお話をしました。

今回のエントリーはその続き、後編です。


■アイドルは「ツブシの利かない商売」

アイドルを卒業(引退・脱退)して次の芸能活動に失敗する方が続出しているのは皆さんよくご存じだと思います。

あの"国民的アイドルグループ"出身者も軒並み苦戦を強いられていますよね。
彼女たちはもともと現役時代から大手芸能事務所に所属しており、卒業(引退)後も事務所の強力なバックアップを得ていたはずなのですが。

なぜここまで無残に失敗してしまうのでしょうか。

その答えは簡単です。
彼女たちが「アイドルではなくなったから」です。
彼女たちの「タレントの価値」は、アイドルだからこそあった

辞めてしまった子に、アイドルファンは結構淡泊です。新しく加入した新メンバーや、他のアイドルに「推し変」することにあまり抵抗がない。
だから「現役時代の人気は、次のキャリアに引き継げない」のが普通です。

つまり、アイドルを辞めたらいったんここでリザイン(チェス用語で「投了」という意味ですね)。
ゲームは最初からやり直しということです。

 

アイドルって、意外とツブシの利かない商売なんです。
先輩たちの苦難を目の当たりにして、卒業を尻込みする現役メンバーも多いと聞きますが、それでもやがて「その時」はやってくる。

そこで次のキャリアとして「女優」を目指すアイドルちゃんが多いわけですが…。


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■とりわけインディーズ出身者は最初の関門でつまづくことが多い

セカンドキャリアのリスタート「どんな芸能事務所に所属するか」が最初の関門となります。
なぜなら、たいていのアイドル事務所(運営)は「アイドル」を専業としているケースが多く、彼女たちが希望する「女優」業のマネジメントを不得手としているからです。

 

もともと芸能事務所というのは、それぞれ得意分野を持っています。
映画のキャスティングに強いところ、テレビのバラエティに強いところ、お笑いタレントを多数抱えているところ…。
女優を目指すなら当然「俳優」部門の取り扱いに手慣れた事務所に所属するのが一番です。

もちろん、もともと大手事務所に所属していた子ならば、同じ会社の中でアイドル部門と俳優部門がそれぞれ稼働している場合も多いですから、そのまま横スライドするのもそんなに難しくはなさそうですが、インディーズ出身者の場合、現役引退後にそういう大手に所属するのは至難の業です。(その理由は後述します)

 

ここで早くも夢を絶たれる子が続出します。
僕の身近にも、この最初の「事務所選び」という関門をクリアできなくて、セカンドキャリアを始められなかった子が何人もいます。

 


■アイドルやっていた時点でそもそも出遅れている

それでも運よくどこかの芸能事務所に拾ってもらえたとします。
(もうこれは完全にコネの世界です。将来アイドル以外の芸能活動をやりたいと思っている現役アイドルちゃんは、今のうちに業界関係者と上手く繋がりを持っておくことをお勧めします。)
そこで事務所のマネジメントに乗っかって、うまく役を回してもらえるかどうか。

アイドルを辞めても引き続き芸能活動をやりたい、と考えている子の大半は、自分がアイドル時代「センター」を張っていたような子です。
ライブでも当然フロントを任されていたはず。つまり、自分がそのグループでは主役だった。
もうこの時点で「自分が中心」ってことに慣れちゃってるんです。

そんな自信満々だった子が、次のキャリアのために新しい事務所に所属したとしても、そこではあくまで「新人」「その他大勢」に過ぎません。
ここで、自分のポジションが「主役」から「モブ」になった、ということを、内心すぐに受け入れられない子が割といる。

大手事務所が元アイドルを拾いたがらない理由の一つです。
今までアイドルグループに所属していたからこそあったその子の「タレントとしての価値」が、肩書がなくなった途端「無名になる」ということに、いちいち気付かせなきゃいけない面倒を嫌うのです。

めんどくさい中古タレント(←ヒドい表現ですね…スイマセン)を引き受けて、いちいち再教育している暇があったら、手垢のついてない有望な新人を発掘したほうが何倍も効率的だ。

 

さらに、元アイドルちゃんはその時点で既に「歳を食っている」。
アイドルは何歳まで現役やってられるか、というのも面白いテーマだと思いますが、一般的には二十歳過ぎたらほぼ旬は過ぎている、というのが日本のアイドル界の現状だと思います。

だからたいていの元アイドルちゃんは二十代半ばくらいでセカンドキャリアに挑戦している。
でも、この世代の女優層はまさにレッドオーシャンです。

 

★突如グループを脱退して女優への転身を図る元アイドルが心を病み…「PERFECT BLUE」★


パーフェクトブルー 予告 / Perfect Blue Trailer


元アイドルちゃんなんかより、ずっと前から日々の稽古で実力をつけてきた他の「女優の卵」がたくさんいる。
いっぽうで元アイドルちゃんは、今までアイドルしかしてないから、演技の勉強をみっちりしてきた子なんてそうざらにいない。
演技力が未知数の元アイドルが、事務所にとって果たして即戦力になるのか?

最初から名前のついた役なんて貰えると思ったら大間違いです。
よほどアイドル時代に「国民的人気」があって、そのドラマなり映画なりに出演することが芸能ニュースになるような子なら別でしょうが、普通は制作サイドはたかが元アイドルのことなんか気にも留めていない。
最初は、良くて「通りすがりの町娘」ですよ。

 


■「アイドル顔見世ドラマ」と「本格ドラマ」はそもそも求められるものが違う

さて、紆余曲折を経て、やっとの思いで「番手表」(ばんてひょう:役名が記された演者一覧)に載るくらいの役が貰えたとします。
でも、そこでの演技が「大根」だったら、果たして"次"はあるでしょうか。

元アイドルちゃんによっては、現役時代"アイドルだけが出ているドラマ(とか映画とか舞台)"に出演した経験を持っている子もいるかもしれませんね。

しかしそういう作品は、誤解を恐れずに言えば
「演技なんて割とどうだっていい」。
要は出演しているアイドルが「可愛く」見えていればそれでいいんです。
だってアイドルのプロモーション作品だから。
どんなに学芸会演技だって、ファンは大喜びです。
そこに需要があるし、アイドルちゃんが出演する意味もある。

この手の作品は、"アイドル"というコンテンツを、別の角度からマネタイズしているのであって、それはあくまでアイドルというジャンルの延長線上にあるものだ。わかりやすくいうと"ホームゲーム"です。

 

でも、本格的なドラマや映画は、そういうコンテンツとは明らかに一線を画した"アウェー"の世界だ。当然ながら「演技者」としてのレベルが求められる。
そんな厳しい世界にあって、以前出演した経験のある、アイドルドラマやアイドル映画のつもりで演技していたら、大火傷します。
そういう作品を見る人は、別にアイドルファンではないから、下手な演技をしていれば当然「なんでこんな素人が出てるんだ!?」ってことになりますよね。

制作サイドからしてみれば、「代わりはいくらだっている」世界。
わざわざ下手な役者を引き続き使う義理は一切ありません。
(ここで大手事務所に所属していると、それでもバーターやらなんやらで何度も役を貰えたりしますが、あまりに演技が酷すぎると次第にバーターも効かなくなります)


■意外な要素が「スタッフ受け」だったりする世界

まあなんとか貰った端役を無事に務め上げたとします。
ここで絶賛されれば光明が見えてきますが、「可もなく不可もない」出来だった場合、"次"があるかどうかでモノをいうのが意外に「スタッフ受け」だったりする。

演技は普通だったけれど、誰よりも熱心に役に取り組んでいたり、挨拶をはじめとする「社会人として当たり前のことが当たり前に出来ている子」は総じてスタッフ受けがいい。

スタッフとひとくちにいっても、監督プロデューサーなど、キャスティングに重要な関与ができる人以外にも、現場のAD技術スタッフメイクさん同業他社のマネージャーなど、実にさまざまな人がいます。
場合によっては、スポンサー企業の関係者も現場にいるケースがあるでしょう。

そういう人たちからの評判というのは、回りまわって必ず責任者の耳に入る。
スタッフだって人間です。
扱いづらい、めんどくさい奴よりは、評判のいい子と一緒に仕事がしたい。
次のキャスティングをする時、かならず漢方薬のように効いてきます。

 

大して人気者でもないし、数字を持っているわけでもないけど、コンスタントにテレビや映画で見かけるタレントさんには、この「スタッフ受け」が良い方が非常に多い。

アイドル時代に「塩対応」が人気だったり、ちょっと非常識だけどそれが天真爛漫だ、ともてはやされた子でも、それは「自分がアイドルだったから許されていただけ」であり、"アウェー"の世界ではそんなの通用しません。
自分の素行を見直さない限り、そのうち誰からも相手にされなくなるでしょう。

 


■アイドルから女優になるには「転職」と同じくらいの覚悟が必要だ

いやあ…アイドルから女優への転身って、ホントに大変なんだなぁと思います。
ここまで頭角を現していくためには、相当の覚悟をもって、人並み外れた努力を積み重ねていかなければならないと思います。
むしろそこまでして女優になりたかったのなら、アイドルなんかやらずに最初から女優目指せばよかったのに、って思わないでもありません。
(転身して女優で成功する子なら、最初から成功していたんじゃないのか!?)

そもそも「アイドル」と「女優」って、あまりにも求められている要素が違い過ぎる。
確かに同じ「芸能人」という括りではあるが、「鮨屋の職人」と「フレンチのシェフ」くらい、求められるスキルや価値観が違うのではないかと思います。

どっちが偉いとか、優れている、ということではなく、
そもそも住む世界が違うと思うのです。
だから、アイドルから女優を目指すのは、いってみれば「転職」と同じくらいの覚悟が必要だ。

ところで、なぜこの「転職」は一方通行なんでしょうか?
「アイドル→女優」というルートはみんな目指すけど、「女優→アイドル」という逆ルートは誰も目指さない。

そこに「アイドルより女優の方が格上」という、見えない"職業差別"めいたものが見え隠れしてしまうのは僕だけなんでしょうか。

それはさておき…。


■ここでチェス盤をひっくり返してみる!

確かに世の中のアイドルは玉石混交です。
大して歌も上手くない、ダンスも大したことない、トークが出来るわけでも、ビジュアルが飛び抜けてるわけでもない。
ほとんど芸のないド素人でも、最近は誰でもすぐに"アイドル"を名乗れてしまう。

「アイドル」という肩書は、今や爪の先ほどの価値もない時代です。

でも同時に「アイドル市場」というマーケットの市場規模は今や1,550億円に達しています。

www.itmedia.co.jp

これはJリーグ」(937億円)を大きく上回り、「プロ野球」(1,400億円)の市場規模すら超えています。

そう考えると、意外にアイドル産業って大きいと思いませんか?
ちなみに、アイドルちゃんたちの憧れ「女優」さんが活躍する「映画業界」の市場規模は2,171億円(出典:日本映画産業統計/日本映画製作者連盟)。
確かにまだ並んではいませんが、そんなに卑下するほどの差はなさそうです。
しかも、映画市場の成長率は前年比+4.9%に対し、アイドル市場の成長率は前年比+30.7%
成長の勢いは断然アイドル市場の方が強く、今後数年で逆転する可能性すらあるわけです。

さあ、ここでチェス盤をひっくり返してみましょう!(=発想の転換、ということですね)

 

★魔女との果てしない戦いに勝つにはチェス盤をひっくり返すしかない…「うみねこのなく頃に」★

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うみねこドットTV─TVアニメ「うみねこのなく頃に」公式サイト

 


■これほどの成長産業の担い手であるアイドルちゃん、そもそも『転職』する必要があるのでしょうか!?

もう一度整理すると、本稿のメインテーマは「アイドルのセカンドキャリア」問題です。
多くの元アイドルがセカンドキャリアの形成に失敗し、路頭に迷っている現状。
かなりの割合で「女優」を目指してみるけど、そこで成功するのは至難の業だ。

だったら、これほどの成長産業なんだから、元アイドルというキャリアを存分に生かして、アイドル育成の方面でセカンドキャリアにトライしてみてはどうか!?
というのが僕の結論です。

 

事実、今やAKBグループの中で押しも押されぬトップの地位を築いたHKT48さっしーこと指原莉乃さんは、近い将来、秋元康さんを継いでAKBグループの総合プロデューサーに就任するのではないか?
と噂されています。

だって、「餅は餅屋」でしょう!?
今や芸能経験のカケラもないような「ド素人」がアイドルプロデュースをしている時代だ。
元アイドルなら、誰よりもアイドルのことが分かっているわけだから、本来なら誰よりもアイドルプロデュースに向いているはずです。

実際、元アイドルで今「スタイリスト」をしている方や、「振付師」をしている方は、結構います。
もちろんそういう専門スタッフを目指すのもいいし、グループ全体を育成していく「プロデューサー」を目指したっていい。
僕がやっているような「LIVE演出」「作詞・作曲」を目指してくれたりすると個人的には凄く嬉しい(笑)

 

★銀河の歌姫シェリル・ノームを支える敏腕マネージャーが実は!?「マクロスFRONTIER」★

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マクロスFRONTIER


下手に女優を目指して、失意のうちに"消えて"いくくらいなら(実際99%はそうやって消えていく)、自分が叶えられなかった夢を、今度は裏方になって目指す、というやり方は、ベタだけど決して間違ってはいないと思うのです。

それに最近は、裏方だって時には表に出ることだって珍しくない。
ここぞというときに、プレイングマネージャー」として再びステージに立ったり、このアイドルグループを育てた名物プロデューサー(マネージャー)として、脚光を浴びる可能性だってある。
それでこそ、アイドル時代に培った「タレントとしての価値」がそのまま活きるし、上手くいけば現役時代のファンはそのまま「箱推し」という形で残ってくれるかもしれない。

(※実はつい最近まで、「アイドルがアイドルをプロデュースする」という、非常に野心的なプロジェクトを掲げて活動していたグループがあったのですが、メンバーが次々に脱退したり、肝心のプロデューサー氏がアイドルをdisるような発言をして大炎上したあげく解散してしまうという事件がありました。いろんな意味で残念でした。)

 

もしくは、チェス盤をもう一手進めて、「元アイドルにしかできない演技」を必要とする映画やテレビドラマを作るようなチャレンジをしてくれる人はいないでしょうかね。
前述した「アイドルしか出てこない映画(やテレビドラマ)」では、アイドルちゃんたちはもちろんいろんな役柄に扮しているんだけど、不思議と「アイドルそのもの」に扮する役の物語って皆無ですよね。

下手に普通のドラマみたいな物語に出演するから、見ている方が恥ずかしくなるような大根演技を晒す羽目になる(笑)
でも、物語の役柄がそもそも「アイドル役」なら、相当リアリティが出ると思うんですけどね。
そうなれば、下手な女優がアイドル役を演じるよりよっぽど絵になるはずだ(と個人的には思う)。

そういう、「アイドルがアイドルを演じる」ジャンルが育っていけば、セカンドキャリアとして「女優」を目指したいアイドルちゃんは、まずそういうジャンルの作品に出てスキルを磨き、十分なOJT期間を経てから勇躍レッドオーシャンに飛び込めばいいような気がするんですが!?(んで意外にその作品から新しいアイドルが生まれて売れちゃったりして)←完全にアイドル寄り発言ワロスww

業界の偉い人たち、ちょっと検討してみていただけませんかね!?

割と需要はあるような気がするんですが!!

 

(最後はただの個人的願望でまとめてしまったっ!!)