れらpです。
今更ですが「勇者ヨシヒコ」シリーズにハマっている、LIVE演出家という世を忍ぶ仮の姿を持ったアニオタ兼作曲厨です。
▲アニメじゃないけど、アニメ的作品世界なんですよね
今日はいよいよ本テーマ完結編です。
前回のエントリーから、いくらなんでも間を空け過ぎだろ?という感じなので、ちょっとおさらいしておきます。
- 伸び悩んでいるアイドルグループには「年功序列」が横行している
- 売れるグループを作るためのメンバーは、歌やダンスが上手いだけで選んではダメ!じゃあ何を基準にする?
- なぜ選抜が必要なのか→そもそも日本のアイドルはメンバー数が多すぎる!ステージでまともにパフォーマンスするには一定の法則がありおのずと人数は絞られる
- 「鉄メンタル」の持ち主は他人を攻撃しがち…結果が出ないと潰し合いになる恐れ
- 形式的なキャラ付けは無意味!他のメンバーにない個性をお互い持つことで高め合いが実現する!
以上です。
今回で絶対まとめようと思います。
(皆さんもそろそろ飽きてきたでしょww そして今回のエントリーは無理矢理全部書いたのでめっちゃ長文です。すっごい暇な時にどうぞ)
詳しくお知りになりたい方はこちらから読むのをおススメします。
【シリーズその1】
【シリーズその2】
■形式的な色分けキャラはクッソ意味ないですから!(繰り返し)
さて、さっそく今日のお話に入っていきます。
インディーズアイドルにありがちな「色分け」。
「赤担当の○○で~すっ!」
「青担当の△△で~っす!」
だからどうだっていうの…?
あ、うん…。
としか言いようがないですよね。
まあせいぜいその子を推してるファンが、会場で担当カラーのサイリウムを振ってくれるくらいですかね~。
んでその子の生誕祭なんかには、会場が担当カラーのリウムで埋め尽くされるのが幸せ~みたいな。
(お?また煽っていくスタイルか!?)
※念のための補足ですが、僕がリスペクトするももクロはこのあたりの色分けに最も成功したグループだと思います。ここでは主にインディーズアイドルの実態について触れています。
前回のエントリーで「メンバー同士、絶対被らないキャラで個性を際立たせるべき」
という話をしました。
それがお互いを"潰し合う"んじゃなくて、"高め合う"唯一の解決方法だと。
では、そもそも個性って何でしょうか?
自分が分かりやすいので、アニメで例えます(!?)←
アニメキャラに限らず、漫画の世界ではキャラを際立たせるため、
「シルエットで見分けがつくようにしろ」
というのがセオリーです。
たとえば「ラブライブ」という作品。
どうですか?
ファンならずとも、シルエットだけで
ひとりひとりの見た目が全部異なっているのが識別できるでしょう?
アニメはこの造形の違いに加えて、
一人一人の髪色や目の色を変えたり…
もちろん声やしゃべり方も違うし…
おまけに語尾に特徴的な言葉(ラブライブではありませんが「~にゃん」とか)を使っていたり。
それぞれの性格も、ものすごく分かりやすく属性化していますよね。
元気キャラ、ツンデレキャラ、甘えんぼキャラ、内気キャラ、しっかり者キャラ…。
ここまでやってようやくキャラ被りしないそれぞれの個性をユーザー(ファン)に認識させることができます。
アニメは、なんでこんなにバラバラな個性をかき集めるのでしょうか!?
■違う個性は、認知拡大に非常に有効な手段!
誰だって「好み」って違いますよね。
すごくおしとやかな女性が好きな人、こっちが振り回されるくらいの元気はつらつな女の子が好きな人、もしかしたら、ちょっとエロいお姉さん系が好きな人…。
分かりやすく言うと、アニメでいろんな個性を持つキャラを登場させるのは、これだけいろんなキャラを集めておけば、どこかの誰かの好みのタイプに、どれかヒットするかもしれない、という計算に基づいているからです。(それに本来"キャラを立たせる"というのはドラマツルギーの基本です)
ありていにいえば「数打ちゃ当たる」です。
アニオタは、キャラに感情移入さえできればいくらでも貢いでくれるからww
★どのキャラも過激な個性が炸裂!「プリズンスクール」★
アイドルだってホントは同じです。
いろんな個性(キャラ)を持つメンバーがいれば、その個性が好きなファンが必ずそれぞれについてくる。
みんなが同じようなキャラだと、そのキャラが好きな連中しか集まらない。
その特定のキャラ属性が好きなファンが100人だったら、どんなに頑張っても100人しか集まらない。
でもいろんなキャラがいれば、それぞれの属性ファンが集まります。5人の違うキャラがいれば、500人集まるかもしれない、ということです。
問題は、そのキャラ好きのファンを、それぞれがいかに囲い込むか、ということ。
中途半端なキャラだと、目の肥えたファンはそれを"まがい物"と認識してしまい、本当はファンが100人いても、10人しか集まらない、ってことになる。
だからこそ、その個性をより強調し、「初見で」明確に認知させることが重要なのです。
■人は見た目が100%!がアイドルの残酷な現実
しょせん、ひとりひとりの本当の性格とか雰囲気なんて、その子の間近でしばらく一緒にいないと、他人に分かるわけないのです。
だったら一瞬で見分けられるようにしなきゃいけない。
一瞬でその個性(キャラ)に感情移入させるには、1時間、いや30分のLIVEで明確にキャラ分けが認識できるようにしなきゃいけないのです。
「人は見た目が100%」
これがアイドルというマーケットの真実です。
"みんな同じ顔に見える"
アイドルを揶揄する世間の言い方のひとつですよね。
でもコレ、嘘じゃないんです。
グループのメンバーみんなが同じようなしゃべり方で、同じような髪形で、歌っても特別際立つボーカルがいるわけじゃなくて、下手したら振付も全員同じで。
そんなんで、一人一人の顔と名前を一致させるなんて、普通の感覚を持った一般人では無理ゲーなんです。
受験勉強くらいの勢いでそのアイドルのことを勉強して、ようやく憶えられるレベルですよ。(まあ興味がなければそもそもそんなことはしないでしょうし)
ぶっちゃけ、一般人の側からしたら、〇〇ちゃんが△△ちゃんに入れ替わったって、正直どうでもいいというか、そもそも入れ替わったことにすら気づかれないでしょう。
★みんな同じ顔だけどここまで個性を際立たせることができるなんて!?「おそ松さん」★
そんな状態のまま、私の担当カラーは赤です、とか青です、と言われたって、後付けもいいところ。
じゃあホントに「赤」っぽい言動してるのか?
「青」っぽい性格してるのか?
ってことです。
まあせいぜい衣装の一部(リボンとかパニエとか?)に赤とか青の要素を取り入れてるだけでしょ。
物事の本質を理解しないで、上辺だけ真似する、典型的なフェイク(偽物)のパターンですね。
確かに名前が分かんなくても「〇〇〇〇(=アイドル名)の赤担当で~す」で覚えてもらいやすいっていう効果はあるかもしれませんが。
いずれにせよ、そんなことで新規ファンは絶対獲得できません。
そこにはただ、"アイドル"というステレオタイプな単語で表現されるだけの、没個性の集団がいるだけだ。
■好きこそものの上手なれ~「一騎当千」のオタク性を発揮せよ!
いよいよまとめに入っていきます。
いま目の前にいる選抜メンバーは「鉄メンタル」を持ったつわものです。
このメンバーたち一人ひとりに、今度はキャラ被りのない明確な個性をそれぞれ発揮してもらう。
そのためにすることは、ただひとつ。
「自分と向き合ってもらう」ことです。
私の本当に自信のある趣味・特技は何なのだろう?
みんなアイドルです。
歌やダンスが大好きで、ステージで脚光を浴びるのが好きだ。
でもそれは当たり前なのです。
でなきゃそもそもアイドルに応募してきたりしない。
これは、その子の趣味特技以前の、単なる「前提」。
だから、メンバーの個性はそれ以外の部分で探すか、そうした「アイドル属性」を極めてもらうしかないのです。
"極める"とは?
誰よりもそれが好きで、誰よりもそのことに詳しく、誰よりもそれに熱い情熱を捧げられること。
それを「一騎当千」という。
その人ひとりで、千人と同じくらいのパワーを発揮できること。
そこまでなって、初めて人にリスペクトされる。
ようやくそれが、その人の個性として、キャラとして世間に認知されるのです。
★パ〇チラにドキッ!美少女ハイパーバトル「一騎当千」★
アニメ「一騎当千 Extravaganza Epoch」公式サイト
つまり、"オンリーワン"になるには、"ナンバーワン"にならなければいけない。
もともと愛好者が少ないものについては、それを好きだというだけでオンリーワンになれるかもしれない。
でも、人間の趣味嗜好なんて、だいたい決まってます。
それを好きだ、という人の数は、どんなジャンルだってまさに星の数ほどいる。
だから、その世界でリスペクトを勝ち取るためには、「ニワカ」じゃダメなんです。
そんなこと、俺だって知ってるよ、とか、今さら言ってんの?
なんて言われてるようじゃダメです。
あるいはその事物について、他の人にはない独特の捉え方や応用力が発揮できること。(←ファッションの世界なんてまさにそうですよね)
■急がば回れ~"量産型アイドル"から"羽根つき"を目指せ!
停滞しているアイドルの主要な病状はズバリ、「金太郎飴」化です。
どのアイドルも、さして違いがない。
ある特定のグループに目を向けても、
メンバーはみな"量産型アイドル"だ。
別にこの子(このアイドル)じゃなくたって、代わりはいくらでもいる。
だったら個人個人のスペックが高い方に人が流れるのが必然というものです。
AKBグループのいわゆる坂道シリーズ(乃木坂や欅坂)は、モデルと見まがうばかりの美形だけを揃えてみせた。
その"顔面偏差値"は、そんじょそこらの女の子には到底太刀打ちできないレベルです。
あまりに美形揃い過ぎて、今度は女性たちの憧れと化し、今までのドルオタとは違う層が新規にファンになっている。
この「見た目が異常にハイレベル」というのも、ひとつのグループの個性(キャラ)といえますね。
(※メンバーひとりひとりではなく、グループとしてひとつの個性を発揮する、というやり方は、また改めて考察したいと思います。)
でも、じゃあそんな美形が次から次へと停滞している自分たちのグループに入ってきてくれるか、といったらはなはだ疑問です。
だったら現有戦力で戦うしかない。
ケーススタディで考えてみましょう。
<case1:歌うのが好き>
→歌が好きな子は世の中にゴマンといます。まずは歌唱力の向上に努めましょう。でも残念ながらアイドルの歌って、ファンからもそんなに期待されてません。人並みに歌える程度なら、誰もあなたの「歌うことが好き」っていう個性を特別なものとは認識しないでしょう。
(対処法1)
→そうですね…「アメージング・グレイス」を独唱して、普段は騒がしいLIVEハウスをシン、とさせてみましょうか。「歌うのが好き」というのは、世間では「歌が極上に上手い」と翻訳されます。
(対処法2)
→歌好きが昂じて「作詞」や「作曲」にチャレンジしましょう。
ファンの方と、次の新曲について議論を交わすのも有効なアプローチです。普段はアイドルにまったく興味のない、世の中の作曲厨も関心を寄せてくるかもしれません。
いまDTM女子がブーム直前です。
<case2:ダンスが好き>
→これもcase1と同じくらいありふれたものです。それに、アイドルの振付って比較的分かりやすいですよね(それは決して"簡単"という意味ではないのだが)。でも本物のダンサーから見たら、ママゴトやってんのか、って残念ながら思われています。
(対処法3)
→本物のダンサーが出場するダンス選手権で上位入賞を目指すくらいダンスに取り組んでみましょう。ダンサーたちを差し置いてアイドルが優勝なんかしたらダンス界がひっくり返るくらいのインパクトがあります。
<case3:絵を描くのが好き>
→ちょっと個性的になってきます。絵を描く人って、基本的にあまり人前に出てこないですから。ただしこの場合も、相当程度「絵が上手い」というスペックが不可欠です。
(対処法4)
→自分のツイッターやブログに、自撮り写真を載せるのをやめて、代わりに自分の描いた絵を載せてみましょう。LIVE後には、その日のLIVEの1シーンを絵に描いて発表しましょう。たまにファンの方の似顔絵を描いてあげると効果100倍です。
(対処法5)
→もし「マンガを描くのが好き」っていう要素があるなら、自作四コマとかを定期的に発表するのも手ですね。ネタも「アイドルの裏側」とか「アイドルあるある」とか、現役アイドルであることを最大限生かしたものがいいでしょう。
<case4:オシャレが好き>
→これはかなりハードルが高いです。普通のドルオタは、女性のファッションにあまり興味がないからです。
(対処法6)
→めちゃくちゃセンスの良い私服ファッションや着回し術などを次々SNSに上げて、女性ファンの新規獲得に努めましょう。その際、ショップ情報なども掲載してあげると、女性たちからも役に立つ、と受け止めてくれるかもしれません。
(対処法7)
→ドルオタ殺し(もしくはDT殺し)のファッションをしてみせましょう。彼らは、一般的な女性ファッションには興味がなくても、フェチ要素のあるファッションには異常に反応します。
(対処法8)
→最終的には自分たちの衣装をあなたがデザインしてあげましょう。その際、SNSでファンからの要望を募る、というのも有効です。
いかがでしょうか。
他にも、いろんなケースが想定されるでしょうが。
いずれにせよ、大切なのは「人と同じ程度のことしかしない」のではなくて、「傑出した個性を発揮すること」です。
一見、アイドル活動とは直接関係ないように見えるメンバーの趣味特技の高度化。
しかしこれこそが「個性の本質」を突いた、重要なアプローチなのです。
それはあたかも、モブキャラのごとく出てきては背景で撃破される"量産型"ザクではなく、ストーリーの核心に絡む、"羽根飾り"のついた「シャア専用ザク」になる、ということと同じです。
(まとめ方がアニオタ過ぎて自分で震えるわww)
■石の上にも三年~続けることができなければ夢は叶えられない!
以前、同じような指導をしたあるアイドルたちがいました。
でも"羽根付き"化に失敗しました。
理由は簡単です。
そうした、自分たちの趣味・特技をアピールする努力を怠ったからです。
ある「写真好き」のアイドルがいました。
でもこの子は、"現役アイドルじゃなきゃ撮れない"ステージ上からの写真を撮ることに熱心ではなく、忘れたころに時々、道端の風景写真をSNSに載せるだけでした。
「ダンスが得意」なアイドルもいました。
日本でもトップクラスのダンサーを招聘して指導したにも関わらず、練習の厳しさに挫折して結局グループを脱退しました。
「男性ファンと絡むのが嫌で女性に好かれたい」というアイドルもいました。
自分は「ファッションに興味があるからそれを極めたい」と言っていました。でも、口でそう言っているだけで、ファッションについて特に何かを情報発信した形跡はありませんでした。
「食べるのが大好き」だったアイドル。
商店街の食べもの屋を全部制覇して、グルメマップを作る、と言っていましたが、結局中途半端で途中でその作業を止めてしまいました。
目の前の新曲CDのリリースイベントや、営業ステージにかまけて、どれもこれも、中途半端で終わってしまったのです。
もしあのまま続けていれば、今頃はそれぞれ、その道の世界で一目置かれる存在になっていたことでしょう。
LIVEも、それぞれの特技を目いっぱい活かした演出が飛び交う、最上級のエンターテインメントショーになっていたことでしょう。
もしかしたら、そのジャンルの雑誌やテレビで、レギュラーコーナーを持てていたかもしれません。
「一万時間の法則」というものがあるそうです。
どんなジャンルのものでも、一万時間それに向き合えば、人間誰しもそれなりのレベルには到達する、という法則です。
これはおよそ14か月弱に相当します。
1年と2か月弱です。
でも実際は人間は睡眠を取らなきゃいけませんし、ご飯だって食べる。お風呂やその他、身の回りの雑事もさまざまある。
だから普通に生活を送りながらこの一万時間を達成するには、おおよそ三年はかかる、という計算です。
おや?「石の上にも三年」ということわざが浮かびますね。
★いろんな職人が出てきます!「食戟(げき)のソーマ」★
メンバーひとりひとりのスペックが高まれば、グループ全体の付加価値が上がります。
全員が"当たる"必要はないのです。
誰かが当たりクジを引けば、グループ全体が注目される。
芸能の世界は、どこに宝の山が埋まっているか、どこに蜘蛛の糸がぶら下がっているか分かりません。
でも一つ言えるのは、「チャンスは努力している人のところにしかやってこない」ということです。
結局は、やる気と負けん気をもった人間にしか夢は叶えられない。
いくらこっちが口を酸っぱくして言っても、本人たちにやる気がなければこっちの熱意は空回りするだけだし、だったらそんな子たちを指導している時間は、僕にとっては無駄以外の何物でもない。
「鉄メンタル」を持った方だけ、お待ちしています。
(やった!完結!!)
【追記】結局のところ、このシリーズは当たり前のことしか書いていませんね。
でも僕の感覚では、この「当たり前のこと」すら認識できていないアイドルが、今は非常に多いです。
もともと一流のエンターテインメントを提供できる子たちだけが「アイドル」と呼ばれていたわけですが、今はあまりにもアイドルの"素人化"が進み過ぎているような気がします。
そしてそんな素人アイドルを運営しているアイドル事務所のスタッフもまた、あまりにもそんな当たり前のことを知らなさすぎる素人事務所が増えている気がします。
少女たちの夢を、大切に育ててあげたいな~と、心から思います。