れらpです。
LIVE演出家にしてアニオタDTMer※です。
(※DTMer(ディーティーマー):パソコンを使って楽曲を作る人のこと)
★ギャグのテンポが最高にイケてる異世界コメディ!★
→心が疲れている方はぜひどうぞ(*‘∀‘)
前回のエントリーで、
「音楽LIVEは"感動体験"の場でなければならない」
と書きました。
では実際に、来場者に「感動体験」してもらうにはどんな演出が必要なのか!?
ということを書いてみたいのですが、
「それよりオマエどんだけのもんやねん!?」
っていう声もあると思いますのでww
あれこれ語る前にある意味ケジメとして、
僕が「LIVE演出」をやるようになった経緯を、今回は書いておこうと思います。
■舞台監督って、実際には何やる人なの?
まずはじめに、僕が生業としている「LIVE演出」という仕事が実際にはどんなことをやるものなのか、について簡単に触れておきたいと思います。
「LIVE演出」。
音楽LIVEの現場においては「舞台監督」(略して「舞監」)と呼ばれたりしますね。
- そのLIVEのテーマやコンセプトを決め、
- 実際にステージで歌う楽曲を選んで順番を決めたり、
- 曲間トーク(MCトーク)の台本を書いたり、
- 照明やSE(サウンドエフェクト)を考えたり、
- ステージの美術セットのイメージを作ったり、
- 出演者のステージ上での動きを考えたり、
そして実際にステージを進行する際には、
あらかじめ決めたタイミングに合わせてQを出したり、各スタッフ(出演者も含めて)に指示を出したりします。
ひとりで同時にいろんなことを瞬時に判断して即座に指示を出していかないとステージが回らないという、
なかなかにスリリングかつやりがいのある仕事です。
そして実際のステージ回しにおいては、実際のところ舞監一人では何もできませんので、関係する各セクション(PA、照明、美術、効果、道具、楽器など)のスタッフと緊密に連携をとっていくことになります。
ということは、本番だけでなく、
事前に準備したり打ち合わせしたりすることも山のようにある、
…っていうのが、ざっくりした「舞監」仕事のイメージですかね♪
★音楽LIVEのシーンがふんだんに見られる伝説的アニメ!
「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEレジェンドスター」★
■失敗つづきだった新人時代
僕は今の仕事についてから、実にいろんな人にLIVE演出のイロハを叩きこまれてきました。
職人の世界ですから、なかには気難しい人もいます。
駆け出しの底辺スタッフの頃は、開演前の客入れ時間にお客さんへのインフォメーションをするように指示され、何の気なしに舞台に上がったところ、そのステージの舞台監督にこっぴどく怒鳴られたことがありました。
「お前!誰の許可を得てステージに立ってるんだっ!!」
…えっ!?
「開演前だろうが客が入っている以上、舞台はもう始まってんだ!
テメェ開演前の雰囲気ぶち壊しやがって!!」
…ふぇぇ|д゚)
今なら分かります。はい。
ハコにお客さんが入って、出ていくまでが舞監の縄張り、っていう場合も確かにあるんです。
(※普通は「開演~終演まで」が舞監の持ち分ですね)
舞台監督は、ステージにおいては"絶対神"
ですから。
開演のQを出すのも、今日誰を舞台に立たせるかっていう権限もすべて舞監が握ってるんです。
こんなこともありました。
ちょっと経験を積んで、本番前の「音合わせ」という作業を任されるようになった頃のことです。
その日のステージはゲストがたくさんいて、ただでさえ音合わせの時間がタイトだったところに、ある若手ゲストのハコ入りが遅れるというプチアクシデントが発生していました。
音合わせの後半は、いわゆる大物ゲストの番が控えていて、遅れてきた若手ゲストの音合わせを遅れた分だけ繰り下げて予定通りの尺でやろうとすると、どうしても大物ゲストの予定時間を繰り下げなければなりません。
若手の遅刻のせいで、大物のスケジュールを変えるべきではない、
と判断した僕は、
若手ゲストの音合わせ時間を予定の半分の尺でこなすことを急きょ決めたのです。
若手の音合わせが始まりました。
持ち時間を半分にしますということは、あらかじめ若手ゲストさんにも伝えてあって。
1コーラスが終わったところで
「はーい!OKで~すっ」
と言って演奏を止めたわけです。
早く次の曲にいかなければ!
するとインカム(無線でスタッフ間のやり取りをする機械ですね)越しに別室にいるMIXエンジニアの
「えっ!?まだミックス終わってないんだけど!?」
という声が聞こえ、
ついでこのステージの舞台監督からインカムを通して
「テメェ!なんで音止めてんだっ!!」
ってまたもや怒鳴られるハメに。
ひぃぃっ!(*´Д`)
いや、確かに音合わせで1コーラスしか歌わないケースもあります。
でもこの日の音合わせは絶対にフルコーラスやらなければいけなかった。
なぜって、事前に本番音源を用意できていなくて、当日その場でMIXチューニングしなければいけなかったから。
なのに僕は全体のリハーサルスケジュールばかりに気を取られてその大切なMIX時間を削ってしまっていたのです。
分かってましたよ。
その場でMIXチューニングしなきゃいけないってことは。
でもPAさん、プロなんだから、1コーラスだけでも大丈夫だろう、
って、勝手に考えちゃってたんです。
でもPAさんからしたら、4分の曲なら4分間フルに使ってチューニングすることで、最高の音質を作り上げたかった。
確かに「音合わせ時間を短縮する」ということを関係者全員に徹底できなかったのは僕のミスです。
でも現場は予定が押しまくっていて、その時点で既に殺気漂う戦場と化していました。
舞監補としてステージの進行管理を担っていた僕の判断でゴリ押しすることができる、と思っていたんです…。
…今思い出してもあの時はツラかったなぁ(遠い目)
その後、
「スイマセンもう一度最初から!フルコーラスでお願いします!」
って若手ゲストさんに頼んだ時の彼の目。
「ったく何やってんだよあのバカ」
って遠慮なくインカム越しに聞こえる各チームからの罵声。
まあ、今でこそ「LIVE演出家」なんて言ってますが、昔の僕はそんな黒歴史を連日のように生み出していたのでした。
■音響効果の住吉昇さんから教わったこと
このブログの執筆陣のひとり、
"日本一の音響デザイナー"住吉昇さんとも何度かお仕事ご一緒したことがあります。
住吉さんの専門は「音響効果」。
番組やイベントの際、最適なタイミングで最適な音を出していただくこと。
かつてあるLIVE(公開番組)で、僕が舞台監督をするステージの音響効果をお願いしたことがありました。
はい。またやらかしましたね~。
LIVEの終盤「○○○○スペシャルリミックスメドレー」と称してゲストが同時にステージを踏みながら次々と持ち歌を披露していくという、クライマックス場面の音合わせを始めたところで事件は起こりました。
ある大物ゲストが自分のパートを歌い終わり、次のゲストが歌っている真っ最中に横から一言。
「ちょっと待って、これ音止めて!」
へっ!?
何事??
当然ながら音も止めて、ステージ上はしーん…。
「これ、メドレーじゃないじゃん!?」
ど、どういうことでしょうか?(涙目)
「だって○○ちゃん(次のゲストさんのこと)の曲、なんのアレンジもなくて普通に歌ってるだけだよね?
俺その間横でどうしてればいいの?」
…!!!!
確かに、リミックスメドレーと称しておきながら、音源は各ゲストさんの持ち歌をクロスフェードで繋いだだけ。
ご自分の曲を歌っている時はいいが、次のゲストが歌ってる時、歌い終わった方はステージ上で手持ち無沙汰になっていた…。
それでも若手ゲストさんたちは、大物が歌っている時、横でリズムをとったりアドリブの振りでなんとか場を持たせていたのですが、それはただ単に先輩の顔を立てて若手ゲストさんたち自身が頑張ってくださっていただけだった…。
大物ゲストさんからすれば、
「自分がステージに立っている必然性がない」のに、
無駄に晒されているだけ、になってしまっていたのです。
リミックスメドレーで最初から最後までゲストさんたちをステージに縛りつけるには、
ちゃんと合間にコールをお願いしたり、場合によっては豪華なデュエットやコーラスを
各ゲストさんに事前に仕込まなければならなかった!?
「演出、甘くない!?」
もう、ショックで喉がカラカラになりましたよ。
それなりに実績を積んで、それなりに自信を持って臨んだLIVE…。
その時は、音効を頼んだ住吉さんご本人ではなく、そのお弟子さんが住吉さんの作った音源を持って現場に入ってくださっていたのですが、そんなトラブルを後日住吉さんに報告したところ、
こんなことを言われました。
「やっぱり演者の立場に立った演出しなきゃダメだよ」
ご本人はもう覚えてらっしゃらないと思いますが。
僕にとっては一生忘れられない言葉になりました。
今でも常に、胸に刻んでいます。
■中二の時の拍手喝采が忘れられず…
僕の舞台演出の原点は、なんと中学二年生にまでさかのぼります。
★中二の時って何かと万能感がありましたよね~★
→ヒロイン六花(りっか)がとにかくカワイイ!
当時、学年全体で、とある宿泊研修があり、
その時に出された課題が
「クラス単位で昔話の演劇を発表する」
というものでした。
2泊3日の日程の中で、クラスごとに与えられた昔話の脚本をもとに、配役を決め、舞台の裏方も全部やって、最終日に発表する、
という、今考えればなかなかにユニークな研修でした。
その時、たまたまジャンケンで決まった僕の役割が
今でいう「音響効果」の仕事。
最終日、ほかのクラスが次々に、まぁスタンダードな昔話の演劇を披露していく中で、僕のクラスが発表したのは。
「アメリカン笠地蔵」(!?)←
ええ。僕の好みで、笠地蔵の演劇に使ったBGMは
マイケルジャクソンの「スリラー」だったり、
映画『TOP GUN』の主題歌、
ケニー・ロギンスの「デンジャーゾーン」(笑)
なかなかに疾走感あふれる、
そしてアメリカナイズドされたイケてる笠地蔵になりましたとさ。
とにかくめっちゃウケました!
先生たちも呆れるやら爆笑するやら。
そのときの、オーディエンス(まあこの場合は同級生たち、ということになりますが)
からの喝采が忘れられなかったのは言うまでもありません。
その後、高校では運動部の主将をしながらも、
演劇部に騙されて期間限定入部し、舞台演劇も少しかじりました。
大学時代は自分でイベントサークルを立ち上げて、いろんなイベントを仕掛けたり、
そのツテで某自治体の花火大会の音効をやってみたり、結婚式場で披露宴の音効バイトをやったりしました。
結果的に今の職業を選んだのも、当時の原体験が忘れられなかったからかもしれません。
■LIVE演出には絶対的に音楽の素養が必要だと分かった日
会社に入ってからは、イベント一筋。
いろんなイベントを担当しました。
ステージ系のイベントだけでも、講演会、シンポジウム、子どもショー、お笑いライブ、バラエティーショー、○○コンクール、△△コンテスト、
そして、音楽LIVE。などなど。
でも結局、一番自分に合うな~、と思ったのは音楽LIVEだったし、
音楽LIVEをやった時が周りの評価も一番高かった。
そんなわけで、今はほぼ、音楽LIVEを「自分の専門」として手がけるようになりました。
いままでいったいどれくらいの数のLIVEステージをこなしてきたでしょうか。
自分でも数えたことはありませんが、数百本の単位であることは間違いありません。
最初に挙げたように、その中で数々の黒歴史を製造してきましたし、
何度も辞めたいと思ったことがあります。
でもやっぱり、上演中のあの熱気、パワー、大歓声。
そして、すべてが終わってステージの照明を「ドン」と落とした後の、あの静寂
(やり遂げた、という思いがジワジワとこみ上げる、一番好きな瞬間です)
が忘れられないのです。
★今期超おススメのガールズバンドアニメ「バンドリ」★
BanG Dream!<バンドリ!>「走り始めたばかりのキミに」アニメーションミュージックビデオ(ショートサイズ)試聴動画
そんな日常の中で強く思ったこと。
「音楽LIVEをやるには、音楽の素養が自分にもなければダメだ」
かつて音響効果の第一人者、住吉昇さんに言われた言葉
「演者の立場で演出しなきゃダメ」
自分にとって、演者とはすなわちアーティスト、シンガーなど音楽をやっている人たちのこと。
多分普通の人よりは、相当音楽は聴いているとは思いますが、聴いてるだけじゃダメ。
歌っている人、ひいては、音楽を作っている人。
その人たちの思いや、考え方を本当の意味で理解しなければ、
本当にキチンと音楽LIVEを演出することはできない。
と思うようになりました。
それから紆余曲折を経て…。
とうとう自分でも作曲するようになりました!
きっかけは…。
いえ、この話はまた別の機会に譲りましょう。
たぶん長くなりますww
結局今回のエントリーも、れらp良いトコまったくなしのただの黒歴史暴露話になりましたが(*ノωノ)
いまこうやって素晴らしい仲間と出会い、さらなる高みに挑むことができる…。
その幸運に感謝して、今日のお話を終わりたいと思います。