『昨日より今日はもっと×2!素敵』 BLOG(イケてる大人計画)

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【アニオタはかくしてLIVE演出家になった】6小節目♪「緊急事態を救ってくれたのは声優さんのプロフェッショナル魂だった!」

れらpです。
アニオタにしてドルオタという、二足の草鞋を履くLIVE演出家です。

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▲今日の自筆イラスト。こんなキャラもいかがですか?

 

前回、前々回と、主にアイドルについてのエントリーが続きましたので、
ここらでちょっとアニメ関係の話にシフトしておきましょう。

■今や若者のあこがれの職業「声優」

アニメを支えているのはもちろん「声優」さん。
最近の声優人気ってホントに凄いですよね。

声優って、本来は「声の演技」を生業としている方々ですが、近頃は「歌」も歌いますし、「容姿」だってその辺のアイドルちゃんに負けてない方々もたくさんいらっしゃいます。
テレビのバラエティ番組にゲスト出演されてたりするのもよく見かけますね。
本屋に行けば、アイドル誌と見まがうばかりの声優専門雑誌もあります。

こうした流れは、2000年代後半から顕著になったと思います。

13歳のハローワーク公式サイト』に掲載されている
「人気職業ランキング」最新版(2016年12月31日現在)によると、
「声優」は25位。34位の歌手や、42位のアナウンサーを上回り、
メディア関連業種の中では堂々の1位となっています。

★アニメ業界、そして声優の喜怒哀楽を描き出す!アニメ「SHIROBAKO」★


TVアニメ『SHIROBAKO』 C87公開PV

僕も今までに、声優さんが出演するアニソンLIVEをたくさん演出してきましたが、
ホントに魅力的で多芸多才な方が多くて。

LIVE出演がきっかけで、ずっと仲良くさせていただいている声優さんも何人かいらっしゃいます。

そんな皆さんの、共通の印象を一言でいうなら
「プロフェッショナル」

これに尽きます。


■超絶緊急事態発生!!そのとき声優さんは!?

今日は、僕が声優さんをプロフェッショナルだな~と実感したエピソードをひとつご紹介しましょう。

これは、あるアニソンLIVEでの出来事です。
今からご紹介する声優さんは

小松未可子さん、という方です。

最近の出演作だと亜人』の下村泉役とか、ニセコイ』の鶫(つぐみ)誠士郎役などを担当している、
とってもキュートな方です。

★絶対に死なない「亜人」が人間たちを追い詰める!★


劇場版最終章「亜人 -衝戟-」本予告

さて、そのアニソンLIVE。
小松さんの他にも、何人も声優さんやアニソンシンガーさんが出演する結構なビッグイベントでした。
チケットはもちろん「即完」状態。

僕らも当日に向けて全力で準備を進めていました。


そんな折、よりにもよって前日になって、衝撃の一報が、僕の携帯に掛かってきたのです。

LIVEに出演予定だったある声優さん(仮にAさんと呼びます)が体調不良で出演できない、
という、予想もしなかった電話。

「…!!!???」
あまりの内容に、一瞬絶句したことを今でも憶えています。

もちろん綿密に準備を進めてきたLIVEです。
Aさんのソロコーナーもあるし、Aさんとほかの出演者とのコラボ、トークコーナーでの役回りなどが予定されていました。

LIVE前日という直前になって、そのAさんが出演できない、ということは


コラボによる曲披露も無理、その他Aさんの絡みのある部分は全部NG

 

300ページ以上におよぶLIVE台本の、およそ三分の一を書き換えなければいけない、
という超絶緊急事態が発生したのです。

 

この時点で、開演まで残り約24時間
リハーサル開始まで残り約15時間


もちろん、お客さんにもAさんの出演NGを伝える方法を考えなければいけません。
でも、舞台監督の僕はひとまずLIVEの内容を立て直すのが先決です。
胃袋が、ギュッ。と握りつぶされるような感覚を覚えたことを記憶しています。

 

さて、まず僕がやったことは。
他の出演者さんすべてに、今回の緊急事態をただちに、そして余すことなく説明すること。
そして、Aさんの穴を埋めるための最大限の協力をお願いすること。

これが何を意味するか、もちろん分かってお願いしました。

出演者さんは皆さんプロです。
今回のLIVEに向けて、普段やらない歌のコラボとかも、あらかじめお願いしていました。
各出演者さんは、もちろん事前にレッスンを積み重ね、万全の態勢でLIVEに臨むことになっていました。

その事前準備の何割かを無駄にし、前日になって新たに何かをお願いするということなのです。


■常識ではあり得ないムチャ振りに全力で応えてくれた!

まず最大の難問は「オープニングナンバー」でした。
この、LIVEの冒頭を飾る最重要の1曲で、Aさんが小松さんと、もう一人の出演者の計3人でコラボしながら登場する演出プランになっていたのです。

 

前回のエントリーでも説明しましたが、
LIVEで最重要なのは「オープニング」。
ここの演出は、まさに練りに練って、最高の準備を整えていました。
出だしから全開フルスロットルでLIVEをスタートさせるべく、
演出のセオリーをブチ破って、オープニングナンバーから炭酸ガスのバズーカが発射される「特殊効果」を使う予定もあった。

その曲を差し替える、もしくは取り止める、ということはすなわち、
このLIVEそのものの演出プランを破棄し、あらたに台本を全部書き直すということ。
本番まで残り24時間を切った段階で、とてもそんなことをやっている時間的余裕はない。

つまり、絶対にやめられない曲だったのです。

★これがその時のオープニングナンバー!超絶難しい曲だった★


stone cold / FictionJunction PV

だから僕が小松さんと、もう一人の方にお願いしたのは、
「Aさんが歌う予定だったパートを、二人で分担して受け持ってください!」
ってこと。
「今から1時間以内に新しい歌割表を準備します!
それで明日のリハで初合わせお願いします!」

今まで積み重ねてきたレッスンは1回リセットして、新たなパートを増やした挙句、
一晩で仕上げてきて!
っていうことをお願いしたのです。

ちなみにこのLIVEは後日全国放送されるものでした。
つまり、その場限りの未完成なパフォーマンスは許されない、ということです。

 

小松さんが所属していたキングレコードさんとも大至急検討に入りました。
声優さんであると同時に、アニソンアーティストとして、不完全なパフォーマンスを見せるわけにはいかない、ということで
これはレーベルにとっても品質管理上重大な決断になるのです。

 

…すぐに返事は返ってきました。
「もちろん、やらせていただきます」

もうね、その男前っぷりに、本気で惚れそうになりましたよ。


■目の当たりにした、声優のプロ魂!

もうひとつ、僕が小松さんに新しくお願いしたことがあります。
それは「LIVE前の影アナ前説」

 

コレ、今となってはアニメイベントでよく使われる手法なんですが、当時は結構レアな演出だったと記憶しています。

 

前説」というのは、LIVE中の諸注意とか、観覧者へのお願いを開演前に伝えるもので、
普通はフロアディレクターとか、司会(MC)がやるものなんですが。

実はこれも演出の一環として、客入れ直後でまだザワザワしている会場に向けて、
声優さんが自分が演じているアニメのキャラの声と口調でいきなり影アナで入る、という仕掛けにしていたんです。

もちろん観客は皆さんアニオタですからね、
あの大好きなキャラがいきなりリアルで呼びかけるわけですから、そりゃあもう大喜びです。
開演前なのに、会場のテンションMAXです。(注意事項とか、絶対にちゃんと聞いてくれますしね)

 

よりにもよってそのキャラ前説を、今回Aさんにお願いしていたんです。

「(Aさんが来れないなら、このキャラ前説取り止めにするか!?)」

一瞬そんな考えが浮かびましたが、すぐに打ち消しました。

 

前回のエントリーでもお話しましたが、
LIVEとは「非日常」を作り出すこと。
アニメの中のセリフしかしゃべらない、憧れの声優さんが、
LIVE前の前説で、自分に話しかけてくれる!
しかもこの前説のいいところは、舞台袖でしゃべるので客席の反応がつぶさに分かることにあります。
場合によっては声優さんがアドリブで、客席の反応に応えてしゃべる、ということも想定された、スペシャルゴージャスな仕掛けなのです。
観客を一気に「非日常」に引きずり込むにはうってつけの仕掛け…。
僕の演出はこの日、そこから始まっていた
のです。

でも、Aさんの代わりはいるのか…?

 

キッチリ練り込んだLIVEですから、もちろんブッキングの段階で「キャラ被り」、すなわち似たような立ち位置の出演者は最初からいません。
みなさんそれぞれ、特徴のある位置付けで出演をお願いしているわけですから、
Aさんと似たような立ち位置の出演者なんて最初からいるわけありません。

 

でも…。
無理を承知でこのとき小松さんには、Aさんが本来務める予定だった"ちょっとドジっ子でほっとけない感じの"キャラを演じながら前説しゃべってくれ!
とお願いしたのです。

 

その当時、小松さんが演じていた大人気アニメキャラは"元気いっぱいで男まさりの快活な少女"。
そのキャラのまま、なんとか違和感がないような筋書きで、最初のAさんキャラのようなノリで演じてほしい、とムチャ振りしたのです。

 

そして迎えたLIVE当日。

 

結論から言うと、小松未可子さんは見事に、実に見事にこの難題をクリアしてくださいました。

★小松さんが急きょ前説で演じたキャラクターは「加藤茉莉花」!★


映画『モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-』予告編

前説台本が仕上がったのなんて、スタートQ直前の1時間前です。
(彼女がしゃべるセリフは、アニメの役柄のイメージを壊すわけにはいかないので、アニメ制作会社の了解も受ける必要があり、ここで時間がかかった)
ステージ袖で、舞監席の僕の横に座り、アニメのキャラクターボイスで前説を始める小松さん。

小松さんは、観客に姿を見せることなく、その「声」だけで、大観衆を一気に沸かせることに成功したのでした。
そして客席のボルテージがリミッターいっぱいまで振り切ったことを確信した僕は、自信たっぷりにインカムに向かって開演のカウントダウンを始めたのです。

(ちなみにその時、そのインカム越しの僕のカウントダウンを聞いて、オープニングナンバーの音出しをポンしてくれたのが、他でもない"日本一の音響デザイナー"住吉昇さんだったりします)


■「声優」という肩書は"自称できない"ところに価値がある

以前のエントリーで、「最近は"自称"アイドルが多い」という話をしました。
アイドルだけじゃなく、「〇〇研究家」とか「〇〇評論家」とか、
自分で名乗っちゃえばそうなってしまう肩書の人が、世の中には溢れています。

でも「声優」だけは"自称"できない、と僕は思います。

だって、そもそも声優って、何かアニメ作品に出演して役を貰わなければ仕事できないですから。
アイドルは、自分でライブもできますし、世の中に需要があろうがなかろうが、
アイドルやってますっていうそれなりの実績は自分で作れちゃう。

その点、声優は必ず「声優としてのオファー」がないと実績が作れません。
そしてそのオファーは、一定程度の実力がなければ絶対に貰えません。

だから、「声優」って肩書がある時点でその方は既にプロフェッショナルな実績をお持ちなのです。

 

いまや若者たちの就きたい職業の上位にランキングされる「声優」。
僕のささやかな体験も、彼(彼女)らが「ホンモノ」であることを裏付けてくれています。

 

このLIVEは、今でも僕の中では一番の、そして大切な大切な思い出のLIVEです。
超絶緊急事態の収拾に忙殺されて、前日は一睡もできませんでしたが、
すべての出演者とスタッフが一丸となり、持てる力のすべてを振り絞ってやり遂げた、最高のLIVEでした。

だから、まだまだいっぱい話したいエピソードは山のようにあるのですが…。
それを語るには、どうやら長くなりそうです。

 

今日のお話はここまでとしましょうか。